Home概要講座紹介


   

  上廣死生学・応用倫理講座は公益財団法人上廣倫理財団を出捐団体とする寄付講座です。2007年度に上廣死生学講座として開設され、2012年度以降は死生学に加え応用倫理も担当領域として、研究と教育および実践活動を進めてまいりました。

 そして2017年度にはその成果を踏まえ、第3期5ヵ年の新たな歩みを始め、2020年度は第 3 期の 4 年目となりました。今年度も一層の研究展開と社会貢献を進めてまいる所存です。

 死生学は単に「死について」の学ではなく、死を生に伴い、また生が伴うものとして、「死生」を一体として考え、人間が死生をどう理解し対処してきたかについて、人文知を背景に広く考えようとします。その意味で、東京大学の死生学研究は2002年以来、死生学を "thanatology(死の学問)" というよりも "death and life studies" として捉え、人文社会系を中心とする学際的な研究プロジェクトを進めてまいりました。

 当講座は死生学の中核領域である臨床死生学の研究と実践活動を軸に展開しております。臨床死生学は臨床現場で実践の知としてはたらく学問です。医療機関や介護施設、在宅医療・介護の場などの医療とケアの現場において、死生をめぐる諸問題に関し、患者(利用者)本人と家族および医療とケアに携わる人々のニーズに応え、死生学が得た知見を医療とケアに活かすことができるようなかたちにして提供しようとします。その際、医学的にも最新の知見を取り入れます。

 このように文理融合の知を創出しつつ、上廣死生学・応用倫理講座は臨床死生学と臨床倫理にまたがる研究と実践活動に注力しています。臨床倫理は臨床現場において、一人ひとりの治療やケアや療養場所などの選択に際し、本人を人として尊重する意思決定の実現を目指します。

 その実践的研究の成果は医療・ケアの臨床現場に浸透しつつあり、高齢者ケアの領域などで実績をあげてきました。

 当講座は東京大学大学院人文社会系研究科内におかれた死生学・応用倫理センターにおいて研究・教育・実践活動を行っており、当講座の活動に死生学・応用倫理センターの中心メンバーの協力を得て、講座のバランスある活動の展開を目指しています。

上廣死生学・応用倫理講座 特任教授  会田薫子




 

上廣死生学・応用倫理講座

(C) 2007-2019 上廣死生学・応用倫理講座