[2001/1/10] あけましておめでとうございます.本年もよろしくお願いいたします.とはいえ学繁期が始まりつつあり,このサイトの更新もしばらく滞るかもしれません(もっとも,これまでも更新が途絶えがちでしたが,笑).

[2001/1/10] SPSNと高齢者保健福祉サービス研究会との共催で,2001/2/3(土)に,日韓高齢者福祉政策研究交流セミナーが,お茶の水女子大学で開催されます.司会を担当することになりました.使用言語は,日本語・韓国語・英語ですが,バイリンガルの留学生が多数参加しますので,言葉の心配はありません.ふるってご参加ください.

[2001/1/11] アクセス数が16,000を超えました.

[2001/1/21] 「新春特別座談会:『厚生労働省』誕生で社会保障政策は変わるか」(『ばんぶう』2001年1月号,72-77頁)が刊行されました.大久保一郎,根建伸子,森晃爾各氏との座談会の記録です.

[2001/1/27] アクセス数が17,000を超えました.

[2001/3/2] アクセス数が18,000を超えました.

[2001/3/2] 学繁期がそろそろ終わりそうです.まだ,油断はできませんが...これを機にこのサイトのデザインを変えてみました.まだ,準備中(under construction)のページがたくさんあります.新年度の授業関係のページをアップロードしましたが,まだ,暫定版です.このサイトのコンセプトは,当初,「インターネットは私たちの公共性」(Internet is our Offentlichtkeit.)というものでしたが,考えるところがあって,これは取り下げました.理由は,いずれコラムに書くかもしれません.

[2001/3/15] 学繁期は終わりを遂げたのですが,積み残しにしていた仕事がどっと押し寄せてきました.そのひとつが大学の点検評価のための事務作業です.NPM(新公共管理論)の影響で政策や計画に対する評価が世界的な流行となっていますが,その影響は大学にも及んできました.私と同じような仕事に携わり,試行錯誤を繰り返している大学関係者も多いかもしれません.そのような人びとにとって「耳寄りな」(!?)情報です.サッチャー時代のイギリスで始められた大学の研究評価の経験に関する情報を集めたサイトがあります.RAE (Research Assesment Exercise) です.イギリスの大学の各学科ごとの格付けがのっていて,なかなか「おもしろい」(!?)ところです.イギリスでは,研究費の配分が,ここの評価にもとづいておこなわれるようです.

[2001/4/20] いよいよ新学期が始まりました.授業関係のページを更新中です.

[2001/5/21] 『福祉社会−−社会政策とその考え方』(有斐閣,2001年5月20日,xiii, 309頁)が刊行されました.学部での講義をもとに書き下ろした教科書です.

[2001/5/21] 先週の木曜日から韓国に出張で,昨日,帰国しました.そのときのレポートは,いずれ掲載したいと思います.

[2001/5/21] 「男子トイレ騒動」の後日談です(笑).一昨年,イギリスのパブの男子トイレに子どものおむつ交換のためのベビーベッドが設置されていたと報告したことがあります.また,昨秋,羽田の男子トイレには,ベビーベッドはないが,次のような掲示があることを伝えました.「男性のお客様でおむつ替え等ベビーベッドをご利用の際は,お近くの多目的トイレをご利用いただきますよう,お願い申し上げます」.

さて,今回の韓国旅行での重要な発見のひとつは,今年3月29日に開港したばかりの仁川(インチョン,Incheon)国際空港の男子トイレに設置されていたベビーベッドでした.同行したある女性社会学者の話ですと,DV(ドメスティック・バイオレンス)への対応など,この方面での取り組みは,韓国の方が日本の先を行ってるとのことですから,それが,ここにも現れたのかもしれません.もちろん,仁川の後発利益ということもあるかもしれません.

[2001/5/27] 社会政策学会のテーマ別分科会「福祉国家と福祉社会」が26日に開催されました.満員のため,会場に入りきれず,廊下でお聞きいただいた方もいたようです.また,せっかく来ていただいたのに,入場を諦めてお帰りになった方もいらっしゃったようです.グローバリズムの問題に対する関心の大きさを改めて知りました.問題の大きさのわりに時間が短く,十分な討論ができなかったのが心残りではあります.ともあれ,出席者のみなさん,ありがとうございました.

[2001/5/28] 2001年6月3日(日)午後,日本居住福祉学会第1回大会が,法政大学の市ヶ谷キャンパスで開催されます.「居住福祉学への誘い」がテーマです.前半は,早川和男会長が聞き手となって,隅谷三喜男先生からお話をうかがいます.後半の「各専門分野から居住福祉を展望する」というシンポジウムで,コーディネーターをつとめます.

[2001/5/28] 2001年6月9日(土)〜10日(日)に,宮崎県の延岡市の九州保健福祉大学で,日本地域福祉学会第15回大会が開催されます.10日の午前のミニシンポジウム「地方分権時代における地域福祉のグランドデザイン」(宮崎県社協主催)で,シンポジストとして報告します.昨年,社会福祉事業法を改正して成立した社会福祉法のなかで法定化された地域福祉計画をめぐる問題提起となる予定です.

[2001/6/5] 日本より韓国の方がDV対策が進んでいる旨の某社会学者の発言を紹介しましたが,国連のGEMでは,日本の方が韓国より上でした.もっとも両国とも,低位であることには変わりがありません.

[2001/6/5] 2001年6月3日(日),居住福祉学会の第1回大会が開催されました.隅谷三喜男先生のお話(戦前の麻布のスラム地区の話から戦後の「マンション」−−言葉の本来の意味でのmansionとは異なるという意味で−−lol)と,それに続く早川和男さんとの対談(社会保障制度審議会の住宅問題に関する勧告がいかに無視されてきたか)のあと,小生の司会で,「各専門分野から居住福祉学を展望する」というシンポジウムを開催しました.

建築家の外山義さんは,病院や社会福祉施設では「大部屋の方が入居者の交流が盛んとなる」という一般に流布している言説は誤りであり,「個室化して共用スペースを確保した方が入居者の相互作用は増える」ということをデータによって実証しました.

外山さんが,ハードウェアが居住に対して及ぼす影響を指摘したのに対して,社会福祉学者の野口定久さんは,社会サービスというソフトウェアが居住に及ぼす影響について論じました.地域福祉や地域医療が確立しないために「住み続ける」という意味での「居住の権利」が脅かされており,また,住宅が不適切なために地域福祉の確立が遅れるという悪循環を指摘しています.

法律家の阿部浩己さんは,外山さんや野口さんが問題とする居住の権利が,じつは国内法に優先する国際法(日本国憲法は条約の遵守義務をうたっています)のなかで規定されていること,そして,この権利の保障が地方自治体によって実現されなければならないことを主張しました.

建築学,社会福祉学,法律学という異なった分野からの居住福祉へのアプローチのぶつかりあいによって,このシンポジウムが居住福祉学の確立のための一歩となったことを願っています.また,フロアから多数の人びと(各分野で研究に従事する人びと,現場の人びと,社会運動にコミットする人びと)が発言していただいたことにも感謝します.

隅谷先生は80を超え闘病生活をつづけているにもかかわらず,矍鑠としていたって元気だったのが印象的です.これに対して,当初のシンポジストのうちの3人が急病に倒れて,出席できなかったの残念でした.一般のサラリーマンと違って,研究者の場合,50代が最も苛酷な労働条件の下に置かれるのかもしれません.10年後がコワイ.

[2001/6/13] 先週末,地域福祉学会が開催されました.これで5月の連休が終わって以来続いていた学会シーズンが一段落です.報告二つとコーディネーター二つをこなしました.

[2001/9/9] 三カ月ぶりの更新です.その間にアクセス数が21,000を超えたようです.なお,この間の刊行物は以下のとおりです.

 ・共編著:『高齢社会の福祉サービス』(京極高宣との共編)東京大学出版会,2001年5月31日,viii,170頁.

 ・書評:「阪本俊生『プライバシーのドラマトゥルギー−−フィクション・秘密・個人の神話』」『社会学評論』

 ・翻訳:ポール・スピッカー『社会政策講義−−福祉のテーマとアプローチ』(上村泰裕・森川美絵との共訳)有斐閣,2001年7月31日,xi,342頁.

 ・調査報告:「専業主婦の意識」『少子化社会における勤労者の仕事観・家族観に関する調査研究報告書』連合総合生活開発研究所,2001年7月,97-112頁.

 ・調査報告:『地域福祉計画の策定に向けて−−平成12年度地域福祉計画に関する調査研究事業報告書』全国社会福祉協議会,2001年3月.

このほか,京都府ウトロ地区,オランダ・ドイツ・イギリスなどで調査・視察をしましたが,そのときのレポートはいずれまた...

[2001/9/26] アクセス数が22,000を超えました.

[2001/9/26] 2001年11月に一橋大学で第74回日本社会学会大会が開催されます.昨年,文部科学省科学研究費の補助によって「社会政策と社会意識」に関する全国調査を実施しましたが,そのときのデータを用いた分析の報告を,神山英紀,山田昌弘,森重雄,小渕高志,三重野卓の各氏とともにおこないます.このプログラムをアップロードしました.

[2001/9/26] 冬学期の授業は,学部演習は10月1日,大学院演習は10月15日に開講します.

[2001/10/1] 授業関係を更新中です.

[2001/10/12] 『社会政策研究』の第2号が刊行されます.目次をアップロードしました.

[2001/10/25] 『地域福祉計画の策定に向けて』(全国社会福祉協議会,2000年10月17日)という報告書が刊行されました.2000年の社会福祉法の改正によって法定化された「地域福祉計画」に関する調査研究事業の報告書で,私も執筆協力しています.なおこのプロジェクトは「市町村地域福祉計画」と「都道府県地域福祉支援計画」に関するモデル事業を遂行中です.ただし,全社協出版部の新刊案内には,まだ,掲載されていないようです.(掲載されたようです.01/11/22)

[2001/11/22] 平岡公一編『高齢期と社会的不平等』(東京大学出版会,2001年11月20日)が刊行されました.文科省科研費の研究成果です.編者の平岡氏が日本版の相対的価値剥奪指標の開発とその分析に成功しました.長らくその開発が望まれていた指標であり,この分野の研究におけるエポックメーキングな業績です.小生も,微力ながら,住宅階級(住環境の階層性)に関する分析を寄稿しました.

[2001/11/26] 11月24日〜25日,一橋大学で日本社会学会が開かれました.「福祉社会の価値意識」(福祉・保健・医療5)に関する部会で報告をしました.そのときの当日配付資料をアップロードしました.残部不足のため,当日,入手できなかった方は,こちらをご利用ください.また,当日のスライドもアップロードしました.当日,時間の関係で割愛した部分が含まれています.

[2001/11/29] 『社会政策研究』の第2号が刊行されました(ISBN 4-88173-419-3 C3036,本体価格2381円).編集委員の大沢真理氏と山田昌弘氏が中心となって「家族・ジェンダーと社会政策」の特集を組みました.自由論文も5本掲載されています.手弁当の味わいの出た構成となっています.

[2001/11/29] 三重野卓編『福祉国家の社会学−−21世紀における可能性を探る』(シリーズ社会政策研究1,東信堂,2001年11月30日,本体価格,2000円)が刊行されました.昨年秋に開催された日本社会学会のテーマセッション「福祉国家・福祉社会研究のニューフェーズ」の記録で,藤村正之氏の『福祉国家の再編成』(東京大学出版会,1999年)と拙著『社会政策のなかの現代』を取り上げていただきました.

テーマセッションの記録のほかに,フラッシュバック効果をきかせた三重野さんのセンチメンタルな序文,あまりにも盛り上がったために極端な時間不足に陥ってしまった討論,知的な遊びの得意な藤村さんのあとがきが収録されています.また,「テーマセッション,その後」ということで,三重野卓氏,下平好博,鍾家新の各氏が書き下ろし論文を寄稿しています.

三重野氏の論文は,福祉国家と福祉社会の問題をシステム論の視点から整理し,持論である共生の視点を福祉社会論に結びつけたものです.下平氏の論文は,エスピン=アンデルセンの福祉国家レジームが,彼の脱商品化スコアからは帰納的・統計的に導出することができないことを示したうえで,福祉国家レジームが,じつは,社会保障制度によって特徴づけられるよりも,労働市場のありかたによって特徴づけられる「雇用レジーム」にほかならない,という衝撃的な事実を明らかにしています.鍾氏の論文は,日本の社会保障制度における外国人の扱いの変化と実情を,抑制の利いた口調で,丹念に追ったものです.

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