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富山県朝日町笹川の方言
目次
笹川とその方言
- 笹川(ささがわ)は、富山県下新川郡朝日町(しもにいかわぐん あさひまち)の一集落で、集落と同じ名の笹川(ささがわ)沿いにあります。現在は朝日町市街地(泊 とまり)に通じる道路・トンネルが整備されましたが、かつては山を越える道しかなく、朝日町のなかでも「ことばが違う」と意識されている地域の一つです。
- 平安時代末、以仁王の皇子"北陸宮"が、木曽義仲に仕えた宮崎太郎(みやざきたろう)の導きで、宮崎の地にしばらく滞在したと伝えられています。宮崎城跡(城山)は笹川集落の北側にあります。笹川のことばが独特なことについて、この故事と関連させて考える人もあります。
- 笹川の方言について知るための資料はこれまでにあまりありません。『宮崎村の歴史と生活』(宮崎村誌編纂委員会,1954年)の第12章6節「方言」に語彙や会話例が掲載されていますが、当時の宮崎村(1889[明治22年]年に笹川村と宮崎村が合併して成立)全体としての記録です。また、小西いずみ(2001)「富山県笹川方言における形容動詞述語形式」(『国語学』52巻3号。改稿して『富山県方言の文法』第12章、2016年、ひつじ書房に所収)は文法のごく一部、しかも下新川郡に広く共通する特徴を記述したものです。
- ここでは、笹川のことばを、実際に聞いて楽しみ、学べるように、音声とともに提示しています。

- 収録は2006~2008年に行いました。広島大学小西ゼミの学生とともに行った調査のほか、小西が個人で行た調査の結果を含みます。
- ここに掲載する音声は、1933(昭和8)年生まれの女性、1933(昭和8)生まれの女性、1935(昭和10)生まれの男性1936(昭和11)生まれの女性、1940(昭和15)生まれの女性によるものです。これらのかたを含めてこれまで18名のかたに方言について教えていただきました。
- 収録・研究を進めていくなかで、朝日町、朝日町笹川のたくさんのかたがたからのご教示・ご協力を得ることができました。皆様に深くお礼申し上げます。
- 項目や例文の一部は国立国語研究所の共同研究プロジェクト「日本の消滅危機言語・方言の記録とドキュメンテーションの作成」の基礎語彙に関するものを参考にしています。
- 本研究はJSPS科研費 JP26244024、JP17K02801、JP17K02777の助成を受けています。