【日時】 |
2007年12月16日(日) 13:00〜18:00 |
【場所】 |
東京大学本郷キャンパス法文二号館 1番大教室 |
【講演者・コメンテーター】
肥田路美(早稲田大学)、エリック・トゥーノ(ラトガース大学)、スコット・B・モントゴメリー(デンヴァー大学)、根立研介(京都大学)、秋山聰(東京大学) |
【言語】 |
日本語、英語(同時通訳あり) |
【主催】 |
東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」 |
【共催】 |
東京大学大学院人文社会系研究科美術史学研究室 |
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【プログラム】
- 第一部(13:00〜14:20、14:40〜15:45)
- 開会挨拶:島薗進 (東京大学 グローバルCOE拠点リーダー)
Susumu SHIMAZONO, The University of Tokyo
- 講演1:肥田路美 (早稲田大学)
「舎利信仰と王権」
Romi HIDA, Waseda University
The Cult of Sarira and Sovereignty
講演2 :エリック・トゥーノ(ラトガース大学)
「聖なる欠片からモノへ、あるいはその逆: 初期中世の視覚文化における聖遺物とイメージ」
Erik THUNO, Rutgers, The State University of New Jersey
From Holy Fragment to Material Artifact and Back. On Relic and Image in Early Medieval Visual Culture
- 休憩 14:20〜14:40
- 講演3:スコット・B・モントゴメリー (デンヴァー大学)
「黄金の肌、輝く骨: 中世人の知覚における聖遺物と聖遺物容器の融合」
Scott B. MONTGOMERY, University of Denver
Golden Flesh, Radiant Bones: The Unity of Relic and Reliquary in Medieval Perception
講演4:根立研介 (京都大学) 「日本の肖像彫刻と遺骨崇拝」
Kensuke NEDACHI, Kyoto University
Japanese Portrait Sculpture and the Cult of Human Remains
- 第二部(16:10〜18:00)
- コメント 秋山聰 (東京大学)
「聖遺物とイメージ:東西比較の試み」
Akira AKIYAMA, The University of Tokyo
Relic and Image. An Attempt at a Comparative Art History
- ディスカッション
- 閉会挨拶 小佐野 重利 (東京大学)
Shigetoshi OSANO, The University of Tokyo
オーガナイザー 秋山聰(美術史学研究室)
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去る12月16日午後1時から本学本郷キャンパス法文2号館の一番大教室においてGCOE主催の公開・国際シンポジウム『聖遺物とイメージの相関性 東西比較の試み』が行なわれました。会場には当初の予想を超えて130-40人ほどもの方がみえ、念のため150部ほど準備していた配布資料が底を尽いたのは嬉しい誤算でした。
第二部では、冒頭に秋山がベルティンクを引用しつつ、聖遺物とイメージの相関性についての東西比較の可能性をめぐって簡単にコメントをした後、第一部に基づいてのディスカッションが行なわれました。詳細は次年度に刊行される予定の報告書に譲りますが、予定した時間を越えても、議論の話題は尽きず、聖遺物というテーマや東西比較という試みに対する興味・関心の高まりを実感した次第です。しかし一方で、出席者の大半が西洋研究者であったことも事実であり、閉会挨拶において小佐野重利人文社会系研究科副研究科長からの指摘にあったように、今後自国研究者が一層国際的な比較研究に積極的に参画することが望まれます。
なお参加者の中には遠隔地からお出でくださった方々も少なからずおられました。また会場で配布したアンケート用紙にはかなりの方が記入してくださいましたが、中には今後への貴重な示唆や提案も含まれていました。こうしたご指摘を参考にしながら、さらに議論を深めることが可能なシンポジウムを企画してゆこうと思っております。末尾ながら、ご講演くださった先生方はもとより、ご参加くださったみなさま、また様々な準備、運営に関わった研究員スタッフや学生のみなさんに篤く感謝申し上げます。
なお今回のシンポジウムは「死生と造形文化T」として行なわれたものですが、「死生と造形文化U」は、「礼拝像と奇跡」をテーマとして本年5月31日(土)に開催されることになっています。詳細は改めてお伝えすることになるでしょう。 文責:秋山 聰(人文社会系研究科准教授 美術史学)
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