研究科長・文学部長メッセージ

文学部・人文社会系研究科の学生・院生の皆さんへ

緊急事態宣言解除に伴い、3月22日に本学の活動制限指針レベルが0.5に引き下げられました。しかし変異株の出現や感染の再拡大の兆しを見る中で新学期を迎えることになり、多くの皆さんが授業や研究の先行きに不安を抱いていることと思います。

本学部・研究科の授業については、2月16日に在学生ポータルに発表した「2021年度Sセメスターの授業について」に記載されている開講方針に変更はありません。これまでの経験から、感染防止対策を着実に実行するなら、キャンパス内における教育研究活動に大きなリスクはないことが分かってきています。このような事実やオンラインでできることの限界を踏まえて、今後は対面での活動を徐々に広げていくことにしています。しかし感染状況の改善やワクチン接種の進展も予断を許しませんし、人毎に状況は異なります。新年度の授業は、皆さんができるだけそれぞれの状況に応じて受講方法を選択することができるよう、対面・オンライン併用授業を多く設定し、そのための設備やキャンパスで受講できる場所の整備を進めてきました。オンライン授業の受講に必要なルーター、カメラ、タブレット等の機器の貸与についても、引き続き支援を行うこととしています。HPやUTASまた研究室からの通知に注意し、十分な環境を整えるのが難しい場合には、決して遠慮することなく支援を申し出てください。

研究室等の利用についても、現時点ではこれまでと大きな変更はありません。しかし状況の変化に応じて、感染防止対策を前提に徐々に活動の拡大を検討したいと考えています。個々の研究室から指示があれば、それに従ってください。皆さんの教育研究活動に支障が生じないよう、「感染防止対策の徹底のお願い」の遵守をお願いします。

日々大勢の感染者が発生し、経路不明の感染、家庭内感染が増加している現在、個人がいかに細心の注意を払っていようとも、感染を完全には防ぐことはできません。自身が感染もしくは濃厚接触者になった場合には、「新型コロナウイルス感染防止対策強化にかかる健康管理報告サイトの設置及び入構方法の変更について(2020.12)」(添付ファイル)に記載されている窓口に速やかに連絡してください。感染者のプライバシーや心のケアにも十分配慮するよう、各研究室には既にお願いしています。また、コロナの中での学修生活等心配な事があれば、遠慮なく研究室や指導教員に相談してください。

昨春以降正常な学生生活を送ることができない苦しさが鬱積していることと思います。大学の内外、国の内外を問わず、本来は生涯の宝となるはずの人間関係をこの時期に築き上げることが難しいのは大きな損失です。新型コロナ感染症に対する感覚やそれによって受ける影響は、人毎に異なります。誰も経験したことのない混乱と変化の中に身を置き、実体験として記憶し観察することは、より良い社会の実現と人文学からの貢献に何が必要なのかを考える学びの場でもあります。正常な学生生活が回復した時、この異常な体験を役立てることができるよう、今は自身と周りの人々の安全のために行動してください。ご協力をお願いします。

                   人文社会系研究科長・文学部長 大西 克也

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