研究室紹介

日本史学とは
 日本史学は、日本列島の歴史を多面的かつ総合的に考究する専門分野である。研究の基礎は、古文書・記録・史書などの文献史料を正確に読み、内容を批判的に検討し、そこから論点を引き出して歴史像を構成することにある。
 当研究室の教育・研究システムは、そのための力量を養成することをめざしている。

現在研究室にいる学生数
学部学生 …49名
大学院学生 (修士課程)…19名 (博士課程)…34名

日本史学での学びについて
 演習(ゼミナール)では、演習に出席する学生が報告者となって、文献史料を正確に解読し、優れた先行論文を批判的に検討することが中心となる。
 一方、講義では、授業を担当する各教員により〈史料をして、いかに歴史を語らせるか〉を軸とした先端的な研究を披露する。最近の日本史学が検討対象とする史料は、文献のみでなく絵画や文学、遺跡や遺物、民俗行事、地図や地名などへと広がっており、こうした広範な史料にも挑戦している。
 また、ゼミナール参加者が課題史料の舞台となった地域を実際に見学するゼミ旅行(主に古代・中世)、大学院生や社会人とともに、全国各地域に残された未整理の史料の調査・整理・保存を行う史料調査(近世)、原文書およびその複製を用いてくずし字史料の読解力を養う文書会(中世・近世)、研究書・論文を読み批判的に討論する読書会といった各種の研究会(各時代)など、専修課程の講義以外にも多様な学習の機会を得ることができる。

研究室の環境
 東京帝国大学の国史学科の伝統を受けつぎ、研究室内にある図書は充実している。また学部生・大学院生から教員までがともに語り合う開放的な研究室の雰囲気の中で、教員・助教や先輩の大学院生から懇切な指導・助言を受けることができる。また、関係の深い部局として東京大学史料編纂所があり、その所蔵する原本・影写本・写真版などの膨大な史料を利用する便宜がはかられているほか、同所に所属する優れた日本史研究者の指導を仰ぐこともできる。

卒業論文
 学部での研究の集大成ともいえる卒業論文の執筆にあたっては、自ら日本史上の課題を設定し、研究対象となる史料群や先行研究と格闘して、オリジナルな論点を積み上げ、それを説得力ある論文に結晶させることになる。その経験は、人生にとってかけがえのない財産になるはずである。

進路
卒業後は、一般企業のほかマスコミ関係・教職などに就職する者と、大学院に入学して専門研究を続け、修士・博士論文の作成を目指す者とに分かれる。
就職先の内訳としては、
【2022年度 企業就職者内訳】
新聞・通信……0名 広告…0名 コンサルタント…1名 金融・保険……1名 製造……1名 商社・流通……2名 建設・不動産……1名 サービス……0名 教育…0名 官公庁…1名
※『PROSPECTUS 2024』217頁より

【2021年度 企業就職者内訳】
情報・通信……2名 広告…0名 コンサルタント…0名 金融・保険……3名 製造……0名 商社・流通……0名 建設・不動産……1名 サービス……0名 教育…1名 官公庁…1名
※『PROSPECTUS 2023』215頁より