科目一覧 (2006年度)

担当教員 授業科目名 副題 学期 曜時 備考
氏 名
内   容
教授 土田龍太郎 印度語学概論 パーリ語学 通年 月・4 学部
 パーリ語文法の概略を講義しながら、平素なパーリ語文献の講讀を行う。
参加者は以下の二書を入手しておいてほしい。
  水野弘元 パーリ語文法(山喜房佛書林)
  水野弘元 パーリ語辞書(春秋社)
 おそらくマッジマ・ニカーヤ所収の経典をまづ採り上げることにならう。 
印度語学印度文学演習Ⅱ 宗教文献、美文藝講讀 通年 月・5 大学院共通
 カーヴィヤ的説話集をテキスト形成史や宗教文化史や生活文化史を考慮に入れながら講讀する。
 また遊行・林棲・梵行等について、法典・叙事詩・佛典の関連部分を吟味しながら考察してゆきたい。
印度語学印度文学演習Ⅰ Sanskrit Reader講読 通年 火・5 学部
 例年どほりの Ch.Lanman, Sanskrit Readerの演習である。参加者はあらかじめサンスクリット文法初歩を習得していることが望ましい。充分な豫習が必要となる。
演習 Mahabharata研究 通年 金・2 大学院
 大叙事詩マハーバーラタの諸問題をテキストの讀解と吟味をとほして解明することを目的とする。本年度は次の問題について考察したい。
 一、叙述の構成         二、序章群の形成過程
  三、クリシュナ説話の起源  四、説話の反復
 はじめは講義し、やがて演習に切換へるつもりである。
教授 高橋 孝信 印度語学印度文学演習 タミル文献購読 通年 火・3 大学院共通
 最古の文典『トルハーッピヤム』の詩論部分の中から、比喩について述べた部分を購読する。英訳を参照して読むが、参加者は、タミル語初級文法を習得しておいてほしい。
印度語学概論 タミル語文法 通年 火・4 学部
 2千年を越える歴史を持つタミル語は、時代、韻文と散文、文章語と口語、方言(地域方言と社会方言)などによって大きく異なる。これら様々なタミル語の学習の基礎となるのが、19世紀半頃から急速に発達し始めた散文を読む力の習得である。この授業では、そのような近現代の散文が読める力を養うことに主眼をおくことにする。例年この授業は通年で行なっているが、本年は冬学期のみで行うので進度が少し速くなる。テキストはこちらで用意する。
演習 タミル文献研究 通年 金・5 大学院
 紀元前後から後3世紀頃までのタミルの古代社会の解明を目指す。そのための最大かつ最良の資料は、サンガム文学と称される古代恋愛詩ならびに英雄詩である。本年は、古代の「塩の道」を探るべく、テキストを選択して講読してゆく。
高橋、土田 他 印度語印度文学特殊講義 インドの社会と文化 教養 木・4 学部
 インドの古代・中世を中心に、その社会や文化にさまざまな角度からせまる。インド語インド文学とインド哲学仏教学との両研究室、および東洋文化研究所の教員(高橋,土田,丸井,斎藤,下田,永ノ尾)によるリレー講義であるが、たとえば「インドの本はどこにある?」(第1回)というように、単なる概説にとどまらないような講義となる予定である。
教授 永ノ尾 信悟 演習 インド祭祀文献の研究 通年 水・3 大学院
夏学期はサーマヴェーダ学派に属するジャイミニーヤ・ブラーフマナの第2巻に記述されるガヴァーム・アヤナの部分より興味ある箇所を抜粋して講読する。多くの写本を用いて新しく校訂されたテキストと研究を参考にする。ヴェーダ祭式の中できわめて複雑な祭式の構造を明らかにし、またその祭式の解釈に用いられる説話や神話に焦点をあてて講読する。 冬学期はヴェーダ文献に散見される「雨乞い儀礼」に関するテキストを選んで講読する。インドにおいては長い間農業は天水に依存してきた。祭式解釈文献の多くの箇所で適切な降雨の確保は重要な関心の対象であった。そのためかなりの数の「雨乞い儀礼」が伝承されている。古代インドの人々の切実な関心の一端を解明してみたい。
教授 熊本  裕 印度語印度文学特殊講義 イラン語文献学概説 通年 金・4 大学院共通
 夏学期には、中央アジアのイラン語文献の中で、仏教文献・マニ教文献と並んで重要なキリスト教文献について、文字史的にも重要なPahlavi訳詩編」といくつかの代表的なキリスト教ソグド語テクストを読む。
(参考文献)
Ian Gillman and Hans-Joachim Klimkeit, Christians in Asia before 1500, Richmond, UK/Ann Arbor, MI 1999; Samuel Hugh Moffett, A History of Christianity in Asia. Volume I: Beginning to 1500, Maryknoll, NY. 1998など。
 冬学期には、Avestaの一部をPahlavi訳注と対照しながら読む。
(参考文献)
Alberto Cantera, Studien zur Pahlavi-Übersetzung des Avesta, Wiesbaden 2004.
講師 矢島 道彦 印度語印度文学特殊講義 ジャイナ教研究の現状と課題 通年 水・5 大学院共通
 インド同じ古代東インドの無神論的な土壌から生まれた二つの宗教のなかで、仏教の方は歴史の途中でインドの地から消え去ってしまったのに、なぜ、その片割れであるジャイナ教はその後も存続し得たのか。-P. S. ジャイニは1976年、インドにおける仏教の衰微・滅亡に関するR. C. ミトラなどの過去の諸理論を整理し、それらをことごとく批判した上で、それまで欠けていたジャイナ教との比較研究の重要性を主張した。以来、すでに4半世紀を超える時が経過しているが、この間ジャイナ教そのものの研究も格段に進歩し、仏教の衰微・滅亡の問題についても、新たな興味深い指摘が次々となされてきた。ここでは、そうした成果も含めて、近年のジャイナ教研究の動向を詳しく紹介しよう。
講師 茂木 秀淳 印度語印度文学特殊講義 Moksadharma研究 金・4 大学院共通
 紀元前後の数百年の間に成立したとされているMahabharata第12章Santi-parvanの後半Moksadharmaは、インド最初期の思想を伝える重要な資料である。今回の授業では、Moksadharmaの中で、最初期の思想の重要な要素であるヨーガに言及する章を読んで、 紀元5世紀ぐらいにYogasutraにまとめられる以前のヨーガの様相について一定の理解をもつことを目的とする。Moksadharmaは、Hopkinsをはじめとしてこれまで多くの研究者の関心を引き、ヨーガについても幾多の研究成果が出されているが、できればこれらの成果に立って、個々の章とYogasutraとの関連を考察することにしたい。テキストや参考文献などは、授業開始時に紹介する。
講師 矢野 道雄 印度語印度文学特殊講義 インドの医学関連文献 集中 大学院共通
インドの古典医学(アーユルヴェーダ)は実践の学であると同時に、様々な文化要素の受け皿でもあった。本講義ではまずインド古典医学書の構造と内容を概説し、医学書から見えるインド文化について考察する。その後、『チャラカ・サンヒター』のサンスクリット原典を読む。とくに「判断の巻」に見られる「人為と天命」に関する問題に注目する。また「感覚器官の巻」に見られる「死の前兆」の問題についても、占星術書と比較しながら考察したい。

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