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仏教における死生観 Death and Life in Buddhism
趣旨 2003年6月4日、5日の二日間、日本仏教の死生観を中心に議論を交わすワークショップ「仏教における死生観」が開催された。欧米から一流の研究者7名が一堂に会した雰囲気は、さすがに壮観と言えるものであった。 まず、提題者であるジャクリーン・ストーン教授が「仏教の生死観――四つのテーマを巡って」と題する報告を行った。日本における仏教者の死に方をめぐって、経典や説話集などの宗教的文書から様々な事例が紹介された。中世・古代を題材にした報告は、結論として現代の状況に対する言及にも及んだ。報告を受けた各討論者は、異なった角度から、あるいは新たな見地を付け加えて議論を展開し、ストーン教授の提題を深めていった。休憩の後、会場からの質問を得てさらに討論は続けられた。 欧米の研究者が多かったこともあり、豊富なラテン語引用を交えつつ、キリスト教・ユダヤ教などとの比較が繰り広げられた。意義深い国際研究交流の場となったといえよう。日本仏教(およびアジアの仏教)研究の現状を物語るように、一般の来会者に交じって多数の留学生や外国人学者の参加があり、討論でも積極的に発言が行われた。なお、ほとんどの討論は日本語でなされ、英語での発表も通訳がついた。 翌日の第二部では、欧米の代表的な日本仏教研究者を迎え、仏教研究の現在を主題に討論研究会が開かれた。 アメリカにおける第二世代の仏教研究者として、ポール・グローナー教授が自らの研究歴を語り、また今後の研究展望を述べられた。続いてジャクリーン・ストーン教授(プリンストン大学)も同主題についての見解を示し、死生観研究の方向性に論及された。同じアメリカにおける状況の報告でも両者の視座は大きく異なり、実に興味深いものであった。 続いて討論が行われたが、カトリックと日本仏教の文化的共通点に関するルチア・ドルチェ教授(ロンドン大学)の発言は、特に興味深いものであった。討論の最後に末木教授は、今後の日本仏教研究は世界的な視野のもとに理解されなければならない、という趣旨のまとめを述べた。 HOME > 活動報告(21世紀COE)
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