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死生観とケアの現場 第1部 「死生のケア・教育・文化の課題」
記事 (2004年6月17日・朝日) 連続シンポジウム『死生観とケアの現場』は、第一部と第二部に分かれ、「死ぬこと」とそのケアを多面的に論じる試みである。はるかな昔より、生きる上での一大事であった「死」に学問的な検討のメスを加え、また同時に、「死生観」のありようを真摯に問う切迫した課題である。 第一部は「死生のケア・教育・文化の課題」と題され、専門的な研究者が集まり、「研究集会」という形で開かれた。冒頭でケリヒア氏は、オーストラリア人として、また社会学者として「死」をみつめることから議論は開始された。また医学部から、河正子氏は緩和ケアの実務に触れる中で生じる諸課題を実感的に語り、大谷いづみ氏は高校教育の中で生命倫理を扱う難しさを幅広くとりあげた。 午後はまず岩田文昭氏が小中学校のいわゆる「いのち教育」をめぐる死の扱いについて問題提起を行った。次に榊原哲也氏は、哲学の立場から現象学的ケア論を紹介し、その批判をもあわせて展開した。報告の最後に、教育学部の西平直氏が「性と生と死」の微妙な関連性を語った。コメンテイターの武川正吾氏・金子昭氏・ベッカー氏が、それぞれ議論の整理と、考えを深めていきたい諸点の提起、さらには日本文化に課せられた使命などについて刺激的な新論点も飛び出して、ケアにおいても教育においても、いのちと死をめぐる議論をとりまく困難な状況が浮き彫りにされた。これらのどの場面にも、会場から積極的な参加があり、活発な討論によって豊かな成果が挙がったと言えよう。司会は医学部の高橋都氏と、下田正弘氏がつとめた。 HOME > 活動報告(21世紀COE)
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