【報告】国際ギーターセミナー
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国際ギーターセミナー報告
2026年6月20日、東京大学において「国際ギーターセミナー」を開催した。本セミナーは、インドで最も広く親しまれている聖典の一つである『バガヴァッド・ギーター』を主題とし、その思想的・文化的意義を多角的に検討する国際的な学術集会である。
『バガヴァッド・ギーター』は、インド古代叙事詩『マハーバーラタ』の一部をなし、同族間の大戦争を前に苦悩する英雄アルジュナと、彼を導くクリシュナとの対話を中心に構成されている。その舞台であるクルクシェートラ(インド・ハリヤーナー州)は、インド思想史においてきわめて重要な象徴的場所であり、本セミナーも当初は同地で毎年開催されてきた。その後、インド国外にも開催地を広げ、カナダ、英国、オーストラリア、インドネシア、スリランカなどを経て、第7回にあたる本年、日本で開催されることとなった。
当日は、インドから伝統的な学識を備えた講師を迎えるとともに、日本側からはインド哲学、インド文学、宗教思想史を専門とする研究者が登壇し、それぞれの専門的視点から講演を行った。講演では、『ギーター』に説かれる行為、知、信仰、義務、自己理解といった主題が、古典インド思想の文脈に即して論じられると同時に、現代社会における人間の生き方や責任の問題とも結びつけて考察された。
セミナーは一般公開で実施され、会場にはインドからの約50名の訪問団に加え、日本在住のインド人、インドの思想・宗教・文化に関心を寄せる一般参加者、学生、研究者など、約400名が集まった。会場では学術講演に加え、関連資料や研究成果を紹介するポスター展示、インド音楽の演奏、舞踊パフォーマンスなども行われた。また、昼食にはインドカレーがふるまわれ、参加者がインド文化に直接触れる機会も設けられた。
本セミナーは、『バガヴァッド・ギーター』をめぐる学術的理解を深めるとともに、日本とインドの研究者、学生、市民が一堂に会し、思想と文化を通じて交流する貴重な機会となった。学術研究を基盤としながらも、広く社会に開かれた国際交流の場として、日印間の相互理解と友好関係のさらなる発展に寄与する重要な催しであった。



