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大会長挨拶

 池澤 優  (東京大学 大学院人文社会系研究科 教授(宗教学)/死生学・応用倫理センター長)

    生命倫理という領域が成立したのは1960~70年代でありますが、それは単に新しい学問の誕生であったばかりではなく、大きな文化現象の一部であったと言えます。そして、その同じ文化現象の一部として「死の自覚運動」(デス・アウェアネス・ムーブメント)と呼ばれる流れがありました。そこから生まれた「死生学」は、生命倫理学と多くの接点を持ちながら、併存してきました。

    本年度の年次大会を招致した東京大学文学部死生学・応用倫理センターは、この死生学と生命倫理の研究・教育を大きな柱として活動しております。そこで本年度の大会テーマとして、死生学と生命倫理学がどのような接点を持ち、どのような協働が可能なのか、それを通してどのような分野を開拓することができるのかを考えていきたいと思います。それは一つには世界中の死生をめぐる考え方がどのように生命倫理に影響を与えてきたか、過去を振り返って現在を再考するという意味があるでしょうし、一つには新しい学融合に向け、未来を展望する意味があると思います。多くの会員が議論に参加されることを希望します。

    本年度の大会では上記のテーマに沿った企画のほか、別記のような公募カテゴリーを設けますので、ご参考の上、公募セッション、一般演題へのご応募をお願いいたします。