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平成14(2002)年度文化資源学専攻講義

各専門分野共通科目 「文化資源学演習 日本文化の発信と受容・色と香り」
ツベタナ・クリステワ夏冬4単位火・6
文化を発信することは、代表的な「モノ」を紹介することにとどまらず、それらを特徴づけた「コード」を発信することでもある。日本の伝統的文化における「色」と「香り」の役割に焦点を合わせて、コミュニケーションの手段としての働きを追究することによって、文化の意味作用のパターンやコードの問題を取り上げる。
各専門分野共通科目 「文化理論の研究・散文と韻文の交通」
ツベタナ・クリステワ夏冬4単位水・3
ヨーロッパの文学史の特徴を反映する「散文」と「韻文」という用語の使用について考察し、こうした区別による文学研究の限界を問うてみる。具体的な例として『源氏物語』などの日本古典文学の作品を取り上げて、物語言説の分析を詩的言語の展開の立場から試みることによって、「散文」と「韻文」の区別を超えた一般詩学の可能性を追究してみる。
各専門分野共通科目 「ディスカッション・プログラム」
ツベタナ・クリステワ夏冬4単位水6
修士論文作成指導を兼ねた演習である。前期は、共通のテーマを選んでディスカッションを行い、論文のテーマの選択や作成などについて話し合う。後期は、各自が修士論文のプロジェクトについて発表し、全員でそれぞれのプロジェクトについて考察し、議論する。
各専門分野共通科目 「文化資源学演習 特別演習「美術館における教育研究」(限定)」
幸福輝・寺島洋子2単位集中
国立西洋美術館が西洋美術館に関心を持つ人材の育成と同館の活動への理解を広めるために開設するインターンシップに参加し、3カ月以上、6カ月以内の期間、現場での実務に携わる。参加にあたっては同館による審査がある。詳しくは同館のホームページを参照せよ。文化資源学研究専攻の学生に限る。
各専門分野共通科目 「文化資源学演習 本草学・物産学・博物学入門」
大場秀章・木下直之2単位集中
日本の博物館は幕末維新期に西欧から学んだ文明開化のための仕組みである。それは殖産興業につながる即効力を持つとともに、自然認識のための装置でもあった。移植文化ではあるものの、それを受け入れるだけの豊かな土壌があった。この集中講議では、博物館成立以前へとさかのぼり、江戸時代後期の日本社会が自然をどのように理解し、解釈してきたかを探ると同時に、それを継承した明治期の博物学を東京大学総合研究博物館のコレクションを通して学ぶ。講議は博物館の大場秀章教授(植物学)・文化資源学研究室の木下直之助教授を中心に、田賀井教授(鉱物学)・高槻成紀助教授(動物学)が参加する。12月17日〜20日に博物館で開講する。
各専門分野共通科目 「修士論文指導」
文化資源学研究専攻専任教員夏冬2単位月・1
それぞれの指導教員により適宜個別的な論文指導を行う。
各専門分野共通科目 「博士論文指導」
文化資源学研究専攻専任教員夏冬2単位月・1
それぞれの指導教員により適宜個別的な論文指導を行う。
文化経営学専門分野 「文化経営学演習」
青柳 正規 夏冬4単位木・3
国際社会、アジア・ヨーロッパなどの地域、日本、日本国内の地域社会などさまざまな範囲における文化のあり方を研究すると同時に、グローバル化や大衆化などの過程の特徴を分析し、それぞれの範囲や組織体制の文化システムを構築するためのケース・スタディを行う。
文化経営学専門分野 「文化経営学特殊研究 文化資源評価法・博物館工学「メーキング・ミュージアム」(共通)」
西野 嘉章夏冬4単位木・5
21世紀にあり得べきミュージアムを白紙から構想し、展示、デザイン、設計から雛形(模型)の制作まで、ミュージアムの立ち上げを仮想体験する。ゼミ参加者は複数のグループに分かれ、各グループがそれぞれの意志に基づいて選択したテーマを基に、21世紀ミュージアムのプロジェクト構想を具体化し、基本設計を行い、最終的な具体物にまとめ上げる。雛形の制作が課題の一部となるため、建築設計、美術制作等に関心のある学生の参加が望まれる。このゼミの成果は、機会をみて総合研究博物館の小企画展示として公開する。 参考書:拙著『21世紀博物館』(東京大学出版会)
文化経営学専門分野 「文化経営学演習 近代日本の文化政策〜皇紀2600年記念事業」
木下 直之夏冬4単位金・6
近代日本の文化政策を概観した昨年度に続き、本年度は各論として1940年に全国で展開した皇紀2600年記念事業をテーマとし、文化政策論の観点から検証する。事業範囲は美術・音楽・演劇・映画・文学・スポーツ・宗教などほとんどすべての文化領域にわたり、東京帝国大学もまた無縁ではなかった。参加者はひとつの文化事業を選んで調査研究し、その実態を報告しなければならない。今年度からの参加も可。こうした過去に目を向けることで、ひるがえって現代の文化政策を評価する能力を養いたい。
文化経営学専門分野 「文化経営学特殊研究 公共劇場運営」
高萩 宏2単位月・6
文化芸術基本法が昨年秋に驚くほどのスピードで成立し、日本の文化政策も国、地方自治体の政策の中にある位置を占めていこうとしています。貸しスペースとして多くの公共劇場が運営されている現状を基点に、さらなる国際化に向かう日本の社会のなかで、舞台芸術の創造行為がどのように守られ、鑑賞活動・養成事業・教育普及活動の促進がどのようにはかられているかを、公共劇場の運営という視点から、欧米各国との比較をまじえて考察します。
文化経営学専門分野 「文化経営学特殊研究 文化政策概論」
小林 真理 2単位月・5
2001年の臨時国会で文化政策の根拠法とも言える文化芸術振興基本法が成立しました。本講義では文化政策一般についての歴史と内容について概観した上で、文化政策を行う際の原理原則について明らかにするとともに、わが国でこのような法律が制定された背景と、文化政策の今後の課題について考えることにします。
教科書
後藤和子編『文化政策学−法・経済・マネジメント−』(2001年、有斐閣)
In from the Margins, (Council of Europe Publishing, 1997), Balancing act:21 strategic dilemmas in cultural policy, (Council of Europe Publishing,1999)
文化経営学専門分野 「文化経営学特殊研究 博物館学「内国異文化の陳列」(共通)」
佐々木 利和 2単位金・5
大学南校が博物館を設置して以来、その後身たる内務省・農商務省・宮内省等の博物館は、自らの版図内に住む異文化びとをその陳列に取りこんでいる。その主たる対象はアイヌであり、琉球であり、台湾であり、南洋諸島であった。そしてかれらは「土人」として位置づけられていた。この「土人」がなぜ、どのように陳列されたかを考えてみることにしたい。
文化経営学専門分野 「文化経営学特殊研究 博物館学「博物館は求められているか」(共通)」
浅野 秀剛 2単位月・5
国の博物館の独立行政法人化、本年4月の公益法人等派遣法の施行などにより、いやおうなしに博物館は社会における新たな位置づけを迫られている。今、博物館はどの程度必要とされているのか、博物館の社会的役割とその評価はどうなるのか、という問題をなるべく具体的事象を踏まえて考察したい。なお、事象分析は美術館中心となる。
文化経営学専門分野 「文化経営学特殊研究 展示論2002〜戦争を展示する(共通)」
木下 直之2単位火・5
講議のねらいは、展示という行為とは何かをラディカルに問うことである。そのために、本年度は戦争の展示を考える。戦争体験者の減少、高齢化と反比例して、戦争を展示する博物館への期待が高まっている。しかし、戦争ほど困難なテーマはない。戦争という複合的な出来事の再現と展示は、技術的にも、政治的にも、行政的にも困難である。すでに実現され、活動を続けているいくつかの戦争博物館、平和博物館を検証する。冬学期に開設される多分野講議、生井英考・木下直之「写真の文化史」(戦争の表象をテーマとする)を併せて受講されたい。
文化経営学専門分野 「文化経営学特殊研究 文化経済論「文化経済学の歴史と理論」」
後藤 和子 2単位木・6
現代における文化経済学は、ボウモル=ボウエンの産業としての芸術文化の分析やケインズによるアームズ=レングスの原則(芸術支援の原則)の提唱を端緒とし、ピーコックによる文化市場の二重性の提起やフライらによる公共選択論の適用など、広範な広がりを持っている。
 また、こうした現代的研究は、A.スミスの芸術論やラスキンの芸術経済論、モリスによる「生活の芸術化」などにその源流をたどることができる。
 本講義では、こうした文化経済学の理論を概観しつつ、それらが現代における文化と経済をめぐる諸問題に、どのようにアプローチできるのか考えてみたい。
テキスト D.Throsby, Economics and Culture, Cambridge U.P.2001
     後藤和子『芸術文化の公共政策』勁草書房,1998年
     後藤和子編『文化政策学法・経済・マネジメント』有斐閣,2001年
     その他、参考文献は適宜紹介したい。
形態資料学専門分野 「形態資料学特殊研究 考古学資料論「西アジアの旧石器」」
西秋 良宏夏冬4単位火・5
石器を適切に分析すると先史人類の行動や思想がみえてくる。この講義では、西アジア旧石器時代の出土資料を使って、石器分析の具体的なプロセスを説明する。
受講者は、石器の分析を実際に体験することになる。

参考書:『西アジアの考古学』大津忠彦・常木晃・西秋良宏、同成社、1997。
    『石器研究入門』M.-L.Inizan, H. Roche and J. Tixer著・
    大沼克彦・西秋良宏・鈴木美保訳、クバプロ、1998。
形態資料学専門分野 「形態資料学演習 形態資料学の諸問題」
長島弘明・佐藤健二夏冬4単位木・5
形態資料学とは何か、形態を文化の資源として論じていくことにどのような可能性があるのかという基本的な問いを、それぞれが設定したテーマの相互の発表と討議を通じて深めていきたい。演習参加者一人一人が、自らの論文主題や対象資料、あるいは重要な動向の紹介、先行研究の整理などの素材を出し、それに対して参加者相互での批判的討議を軸に演習を進める。
形態資料学専門分野 「形態資料学特殊研究 形態資料学の理論と方法「事物をどうとらえるか」」
長島弘明・佐藤健二2単位木・6
二人の担当教員の連続講義の形式で行う。近世から近現代の日本の文化・社会の研究を見渡しながら、文化資源学の対象とされるような文化の形態・生態が、どのように問題にされ、論じられてきたかについて、具体的な素材、領域、研究者などを取り上げて考察する。予定しているのは、形態資料としての書物、非文字テクストの諸相、国学と民俗学、事物起源考証の系譜、芸能とメディアなどの主題である。
形態資料学専門分野 「形態資料学特殊研究 現代芸能論「現代日本における民俗芸能の再創造と再想像」」
橋本 裕之 2単位金・5
近年、民俗芸能は無形民俗文化財という学術的な価値のみならず、地域文化や伝統文化に対する人々の広汎な関心を満足させる材料として、もしくは地域のアイデンティティを再構成する過程に貢献する文化的なシンボルとして、社会的な価値をも付与されるばあいが少なくない。また、民俗芸能を観光資源や学校教材として活用するばあいも数多く見られる。こうした動向は地域社会における民俗芸能の存在形態に少なからず影響しているが、同時にいわば創られた民俗芸能が生み出される契機としても作用している。本講義は現代日本における民俗芸能の場所に留意しながら、郷土や伝統を表象する現代的な文化現象として民俗芸能を再想像する手がかりを提供してみたい。実際は関連する日本語文献および英語文献を使用することによって、受講者が発表もしくは討議する機会をできるだけ多く設定するつもりである。
形態資料学専門分野 「形態資料学特殊研究 画像資料学(共通 限定)」
上村清雄・小佐野重利2単位集中
絵画、素描、版画、地図、ポスター、漫画など画像資料は、美術史学の研究にとって必須といえる一次資料である。また、野外におかれる彫刻作品や祭礼のときに設けられる装飾は、持続して公開されるか否かにかかわらず、鑑賞者に強い印象をあたえる、すぐれた画像資料といえる。ルネサンスから今世紀にいたるイタリア美術にあらわれた画像資料を主に用いて、美術史研究にとどまらず、他の人文社会学領域の研究におけるこれらの画像資料の有効利用や研究上の貢献と意義について考察する。見学を含め実習形式の講義をおこなう。
形態資料学専門分野 「形態資料学特殊研究 民族学資料論・狩猟の民族考古学(共通)」
佐藤 宏之2単位水・4
日本列島の狩猟文化は、民族学では常に農耕以前の基層文化論に結びつけて語られてきた。しかしながら、この素朴な理想化は、歴史研究の進展とともに見直しを迫られている。本講義では、考古学の立場から、適応と技術の観点に基づいて、狩猟の歴史的意義とその変遷を解きほぐしていく。具体的には、東北日本のマタギとロシア極東先住民社会を例に取り上げる。 授業は講義を主体とするが、ビデオ等を積極的に活用する。また、受講者には、課題発表とレポートの提出を義務づける。

参考書 : 佐藤宏之『北方狩猟民の民族考古学』北方新書、北海道出版企画センター、2000年
形態資料学専門分野 「写真の文化史〜写真と戦争(共通)」
生井英考・木下直之2単位金・3
写真が戦争をどのように表象してきたかを考える。導入部として、木下が、事物ではなく事態を、物ではなく出来事を、写真が撮影可能にしてきた過程を解き明かす。その後、生井が写真と戦争の関係を分析する。「<世界大戦の世紀>としての20世紀が盛んに回顧されてまもなく、今度は同時多発テロによって新たな戦争イメージが登場した。しかも今度は映像がトラウマを惹き起こすというかたちで。この問題を念頭に置きながら写真と戦争の歴史的な関わりをたどってゆきたい。詳細は初回に」(生井)。
できるなら、冬学期の木下の講義「展示論2002〜戦争を展示する」と併せて受講されたい。
形態資料学専門分野 「形態資料学特殊研究 古文書の存在構造論」
近藤 成一 2単位金・5
古文書がどこにどのような形で存在しているのか、またどうしてそこに存在しているかを知ることは、古文書を文化資源としてあつかう際の基本であろう。古文書は元来、社会生活の手段としての文書であった。文書としての本来の効力を失った「古」文書が、文化資源としての新たな歩みを始める。文書の「古文書」化の過程を考えてみるのもおもしろい。史料編纂所が所蔵する古文書の原本や複本さらに古文書目録データベースを利用して、具体的なモノに即して議論したい。
形態資料学専門分野 「形態資料学特殊研究 20世紀のデザイン」
柏木 博 2単位集中
20世紀のグラフィック、もののデザインを対象とし、それらの表現がどのような思考や感覚、意識にかかわっているのかを検討する。そこに、デザイナーの固有性とともに20世紀のある時代・社会の思考や感覚の特性のあり方を探る。20世紀という時代の思考をデザインを手がかりに考えることになる。たとえば、20世紀に特徴的な「大衆」という概念がどのように捉えられていたのかを考える。
文書学専門分野・文献学専門分野共通 「文字資料学特殊研究 文字資料学研究法(1)」
田村毅・月村辰雄・片山英男2単位月・6
漢字を中心とする多言語文字資料の電子的処理に関する諸問題を、具体的なデータベース作成方法を紹介しつつ考える。古典的な漢字辞書(康煕辞典、新撰字鏡)の画像と文字の連携によるデータ処理、大部のフランス語百科辞書の処理例などを示し、参加者にも可能な限り自ら資料体を選んでデータ作成に挑戦してもらう。
文書学専門分野・文献学専門分野共通 「文字資料学演習 近世文書を読む(共通)」
吉田 伸之 2単位木・5
江戸町方に関する基礎史料である「旧幕府引継書」を素材に、近世文書読解の基礎を学ぶ。テキストは毎回コピーを配付する。参加者はグループに別れて、テキストを共同で読解し、その内容を読みとり、論点を考える。別掲の集中講義「史料調査実習」と併せて受講することが望ましい。
文書学専門分野・文献学専門分野共通 「文字資料学演習 近世近代史料調査法入門(共通)」
吉田 伸之 2単位集中
現在も日本各地に厖大に残されている地方(じかた)文書の調査法(現状記録調査法)・研究法の基礎を学ぶ。素材は、静岡史諸子沢・佐藤家文書である。1日目は文学部で準備と勉強会を行い、後半の3日間は現地のフィールド・ワークを行う。受講希望者は5月末までに文化資源学研究室・日本史学研究室・事務室大学院掛のいずれかに申し出ること。なお、9月17日10時20分から、ガイダンスを行う。教室やフィールド・ワークの実施要項などの詳細は、6月末に所定の掲示板に掲げる。
文書学専門分野・文献学専門分野共通 「文字資料学演習 大学南校・開成学校洋書教科書調査(3)」
月村 辰雄 2単位火・5
幕府の洋書取調所を起源とする明治初年度の洋学の教育機関は、大学南校、開成学校など何度か名称を変化させ、明治10年4月、ついに東京大学法理文学部となった。この間、我が国唯一の高等教育機関といいながら、実際に教場で教えられていたのは欧米の中等教育課程の教科書であった。
 本演習では、総合図書館に2000冊ほど残されたそれら英独仏の洋書教科書を実地に調査し、印記やノートのたぐいまで記載する目録作りを目指すとともに、当時の教育カリキュラム、洋書輸入事情など、付随する諸問題を各自調査していただく。
文書学専門分野・文献学専門分野共通 「文字資料学特殊研究 文字資料学研究法(2)」
月村辰雄・片山英男2単位火・6
西欧における文献学と文書学の発展過程を、実例に即して考察する。
文字資料学(文書学専門分野) 「文字資料学特殊研究 19世紀在外日本関係史料論(共通)」
保谷 徹 2単位水・5
世界各地の文書館に膨大な量の日本関係史料(外国語史料)が存在する。この史料群の秩序と構造を検討し、外国史料からみた幕末日本の外交・軍事問題を具体的にとりあげる。19世紀半ば、欧米列強の軍事的圧力(外圧)によって開国・開港を余儀なくされた日本は、国際資本主義市場へ強制的に編入されるとともに、近代的な外交関係の構築を迫られた。
講義では、尊王攘夷運動に揺れる1860年代前半期をとりあげ、在外日本関係史料(主に外交・軍事史料)からみた国内政局と列強諸国の動向をさぐる。
文字資料学(文書学専門分野) 「文字資料学特殊研究 アーカイブズ学研究(限定)」
安藤 正人2単位集中
アーカイブズ(文書館)を民主主義社会の基盤システムとしてとらえる立場から、アーカイブズ学(archival science)の国際的動向をふまえつつ、21世紀の新しいアーカイブズとアーキビストのあり方を考える。
本講義は、国文学研究資料館史料館が実施する「アーカイブズ・カレッジ」をもって替える。履修希望者は各自「アーカイブズ・カレッジに参加を申し込み(用紙は文化資源学研究室にある。申し込み締め切りは5月15日)、安藤担当の「アーカイブズ総論」(7月8〜12日)を含む2科目以上を履修する必要がある。申込者多数の場合は史料館で選考を行うので参加できない場合もあることをあらかじめ了承されたい。なお本講義の履修資格は文化資源学研究専攻所属の学生に限る。
文字資料学(文書学専門分野) 「文字資料学特殊研究 漢籍入門」
濱下 武志2単位集中
漢籍の伝統的な分類方法である四部分類について基礎的な知識を学ぶ。
(聴講希望者が多数の場合は人数を制限することがある)
※講義日程について追って掲示するので注意すること
文字資料学(文書学専門分野) 「文字資料学特殊研究 漢字の発生と発展(共通)」
大西 克也2単位金・5
殷代甲骨文より、秦の文字統一に至る漢字の変化の過程を概観し、解説する。現代人にとって、文字は一種の規範であるが、そのような縛りが希薄であった時代の文字の実態を理解し、文字資料を扱う面白さと怖さを実感できることを目指したい。
文字資料学(文献学専門分野) 「文字資料学特殊研究 日本文献学「文化資源学としての文献学」(共通)」
藤原 克己 2単位木・6
主としてアウグスト・ベックの文献学に依拠して提唱された芳賀矢一の日本文献学について、ベックの原典との比較検討を行い、国文学の補助学としての文献学ではない、文化資源学としての文献学の可能性を探求する。
文字資料学(文献学専門分野) 「文字資料学特殊研究 西洋文献学史」
片山 英男2単位月・6
西洋の古典写本伝承の歴史と理論を概観した後で、実際に西洋近代の書物に接しながら、19世紀に発展した西洋文献学の理論と実践を検討する。
文字資料学(文献学専門分野) 「文字資料学特殊研究 書誌学「日本古典籍の書誌学」(共通)」
落合 博志2単位水・5
書誌学は、本という<物>に即した学問である。一つ一つの書物について、形状、料紙、書写や印刷の様式、書写または開版・摺印の年代、分類、本文の系統、製作環境、伝来や流通の経路、などの事項を的確に把握することがその基礎となるが、個々の資料から得られるそれらの知見を総合し、「書物の学」として体系化して行く際に、どのような点が問題となるか。書誌調査の実習を交えながら、具体的な事例を材料に、日本古典籍の書誌学の方法と今後の方向について考えて行きたい。
平成14年度 多分野講義 「写真の文化史〜写真と戦争 (共通)」
生井英考・木下直之2単位金・3
写真が戦争をどのように表象してきたかを考える。導入部として、木下が、事物ではなく事態を、物ではなく出来事を、写真が撮影可能にしてきた過程を解き明かす。その後、生井が写真と戦争の関係を分析する。「<世界大戦の世紀>としての20世紀が盛んに回顧されてまもなく、今度は同時多発テロによって新たな戦争イメージが登場した。しかも今度は映像がトラウマを惹き起こすというかたちで。この問題を念頭に置きながら写真と戦争の歴史的な関わりをたどってゆきたい。詳細は初回に」(生井)。
できるなら、冬学期の木下の講義「展示論2002〜戦争を展示する」と併せて受講されたい。

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