岩波講座『世界歴史』16巻〈主権国家と啓蒙〉正誤表

A.B.に分けてご覧にいれます。
A.は、誤りないし誤解を招きやすい表現なので、ただちに訂正したい箇所。
その一部はすでに『岩波講座 世界歴史』第27巻の月報(2000年2月)
および『岩波講座 世界歴史』別巻の月報(2000年8月)
の該当ページに掲載されています。
B.は、曖昧さを除くために推敲・添削したい箇所です。

 2000年7月20日/12月1日更新   近藤 和彦

  → 〈主権国家と啓蒙〉をめぐるQA


A.『岩波講座 世界歴史』第16巻 正誤表

はしがき
  vii  5行目
 (誤)一六世紀後半以降の明・清におけるイエズス会
  →(正)一六世紀半ば以降の明・清におけるイエズス会

  x  14行目
 (誤)日本では一九七九年から八〇年代にかけての二宮宏之の
  →(正)日本では一九七九年、九〇年に発表された二宮宏之の

近世ヨーロッパ
 p.13 13行目
 (誤)ヴァロワ朝フランスとハプスブルク家との対立抗争
  →(正)ヴァロワ朝・ブルボン朝のフランスとハプスブルク家との対立抗争

 p.17 12行目
 (誤)考えるなら、なおさらである。
  →(正)考えるなら(「はしがき」参照)、彼の見解の偏りは明らかである。

 p.59  14行目
 (誤)イングランドはイギリス諸島における二〇年間
  →(正)イギリス諸島の人々は二〇年間

 p.69 3行目
  (誤) Erklaerung
     →(正) Aufklaerung

 p.69 後ろから4-5行目
 (誤)受け継がれて、『人性論』の経験主義的考察を生んだ。ロックは、パトロンであったシャーフツベリ卿とともに一六八五年マンマスの反乱に関与してオランダ亡命
  →(正)受け継がれて『人間知性論』の経験主義的考察が生まれた。ロックは、パトロンであったシャーフツベリ卿とともに一六八三年の陰謀に関与した嫌疑によりオランダ亡命

 p.71 9行目
 (誤)『百科事典Cyclopaedia』全四巻
  →(正)『百科事典Cyclopaedia』全二巻

 p.75 1行目
 (誤)すでに前世紀に確定
  →(正)すでに前世紀後半に確定

 p.77 註(23)
 (誤)Gesammelte Aufsaetze fuer Religionssoziologie
  →(正)Gesammelte Aufsaetze zur Religionssoziologie

 p.78 註(42)
 (誤)Imprimerie nationale Paris,
  →(正)Imprimerie nationale, Paris,


B.必ずしも誤りというわけではないが、それにしても推敲し補いたい箇所

 p.12 3-4行目
  ウィクリフの英語訳
  → 聖書のウィクリフによる英語訳

 p.15 後から10行目
  いずれが、近代の始まり(近世)を画するか。
  → いずれが、中世の終わり、近代の始まり(近世)を画するか。

 p.16 9行目
 (誤)、と力強い。
  →(正)、と確信にあふれる。

 p.16 後から4行目
 (誤)感得できるであろう。
  →(正)感得できるであろう。トレルチとヴェーバーを等号で結ぶことはできない。

 p.22 2行目
  数値の増減の相対性を視覚的に表示し、傾斜そのものを他の年代、
  → 数値の変化の率を正確に表示し、勾配や高低の幅を他の年代、

 p.50 11行目
  イングランドの内戦、
  → イギリス三国の内戦、

 p.61 後から4行目
  主権国家体制にオスマン帝国が正規に加わり
  → 主権国家体制にオスマン帝国が加わったとみられ

 p.63 9-10行目
  一二世が、ロシアおよびポーランド、ノルウェーにたいして無謀に挑んだ大北方戦争(一七〇〇−二一年)の敗北、軍事的経済的な消耗がある。スウェーデンはこれによって、バルト海・・・
  → 一二世が、デンマーク、ロシアおよびポーランド=ザクセンにたいして無謀に挑んだ大北方戦争(一七〇〇−二一年)による軍事的経済的な消耗がある。スウェーデンはバルト海・・・

 p.68 1-2行目
  ヘンデルとイタリア・オペラ団との競合
  → こうした興行方式の普及したころ、ロンドンではヘンデルとイタリア・オペラ団との競合

  イタリア趣味とナショナリズムの相克は、まさしくこの時代に
  → イタリア趣味とナショナリズムの相克もみられた。こうした経過を、まさしくこの時代に

 p.70 後から4行目
  とはいえ、啓蒙の学問というべきは
  → とはいえ、あらゆる意味で啓蒙の学問というべきは

 p.72 1行目
  M・フーコー、E・P・トムスンが彼らの議論を
  → M・フーコー、E・P・トムスンが彼らの批判的議論を


  いろいろな機会に指摘してくださった皆さま、ありがとうございます。  近藤和彦