高校世界史/歴史教育をめぐるQ&A

2000. 2.26 更新


 『現代の世界史』 改訂版 をめぐって

玉野光南高校の研究報告/匿名氏の評価は 独立ページ におきます。



 Q:NK
  ホームページを拝見しました。
  「後ろ向きに未来に..」というのには題だけでしたが、ぐっと来ました。
  僕が母校で初めて教育実習をしたときに高校一年生たちに
「電車の先頭車両に乗って、運転手の後ろから進む先がどんどん近づいて来るのを
見守るのと、逆に最後の車両から今過ぎたばかりの風景がだんだん遠のきながら
様相を変えていくのを眺めるのと、どっちが好きかい」
なんて問いかけたことを思い出します。

  僕はもともと高校の歴史教師になりたくてイギリスに渡り、後から研究にのめり
込んだ方なので、教育としての歴史に今でも強い思い入れがあるようです。
僕の指導教官が高校時代に Past & Present を読みあさったと聞いたときには
さすがに愕然としましたが、とにかく日本での「歴史」というサブジェクトに対する
見方(これは学ぶ方も教える方もですね)における、
「大学」と「大学前まで」との間のギャップはどうしたものかといつも考えます。

  高校教師や予備校講師が変なコンプレックスを大学人に持つのは不幸ですが、
日本の学校教育にプロの歴史家がどう関わっていけるのか、やはり
もっと期待していいと思います(これは自分の責任も含めて)。
新しい世界史の教科書も楽しみにしています。大学で歴史学の講義を
「今まであなたたちが学校で習ってきた世界史は一度忘れてください」
などと言って始めなければならないとしたら、それは
まわりまわれば歴史家の恥ですものね。

  相変わらず辛くも楽しい論文生活ですが、3月までには帰国する予定です。

  10 Jan 2000   17:23 GMT


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