21世紀COE研究拠点形成プログラム 生命の文化・価値をめぐる「死生学」の構築
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ベルナール・フォール教授公開講演会
“The Jewel and the Sword: Symbols of Life and Death in Medieval Japan”

日時2006年6月12日(月)17:00〜19:00
場所東京大学法文1号館 215教室
主催DALS(東京大学21世紀COE
「生命の文化・価値をめぐる死生学の構築」)
UTCP(東京大学21世紀COE
「共生のための国際哲学交流センター」)
発表者 Prof. Bernard Faure (Columbia University)
poster

Prof. Bernard Faure (Columbia University) は、禅研究から出発し、次々と大部の著作を発表して、東アジアの仏教ならびに宗教文化について従来の見方を一変し、新しい宗教研究のリーダーとして世界的に活躍しています。今回、UTCPの招きで来日し、その研究のエッセンスを披露してくださることになりました。   (末木文美士)






 6月12日(月)17時から19時まで、本郷キャンパスにて、人文社会系研究科COE「死生学の構築」(DALS)と総合文化研究科COE「共生のための国際哲学交流センター」(UTCP)の共催で、“The Jewel and the Sword: Symbols of Life and Death in Medieval Japan”(宝珠と宝剣:中世日本における生死の象徴)と題するベルナール・フォール教授(コロンビア大学)の講演会を開催した。フォール教授は、禅宗史研究から出発し、ポストモダンの方法論やセクシュアリティ・象徴解釈といった観点を導入して、仏教史の見直しを行っている。近年の著作には、Power of Denial: Buddhism, Purity, & Gender(2003)、Visions of Power: Imaging Medieval Japanese Buddhism(2000)などがある。
 本講演で、フォール教授は、愛染明王・不動明王それぞれを象徴する宝珠・宝剣に注目し、特に宝珠が仏舎利や他の尊格など様々な象徴と結びつく複雑な象徴体系の一部であることを示された。そのような象徴体系の一部として、生死の問題に密接に関連する閻魔天の表象や性・生殖などの問題にも論及し、宝珠と宝剣のような対立する原理とそれらを統合・包摂するものという三つ一組のパターンが中世的思考の根底にあると結論づけられた。
 その後のディスカッションでは、テキスト解釈をめぐる専門的問題のほか、フォール教授の提示した中世的象徴体系の解釈や位置づけをめぐって活発な議論が行われ、UTCPとDALS双方の発展に向けた非常に有意義な講演となった。UTCP側から石黒ひで特任教授、小林康夫教授、門脇俊介教授などが参加し、催しは成功裏に修了した。

講演会の様子 講演会の様子








連続セミナー
"Across Fields: Buddhism, Structure, and History"

poster 講演会とは別に連続セミナーが催されました。
詳しくは下記連絡先までお問い合わせ下さい。

1)5月16日(火) 18:00-19:30
"Buddhism between Mythology and Philosophy"
2)5月22日(月) 13:00-14:30
"From Spinoza to Zenchiku: The Avatars of Pantheism"
3)5月22日(月) 14:40-16:10
"The Beauty of Polytheism"
4)5月29日(月) 18:00-19:30
"In Praise of Gradualism"

会場:東京大学駒場キャンパス(18号館4階コラボレーションルーム1)
主催:21世紀COE「共生のための国際哲学交流センター」(UTCP)
連絡先:secretary@utcp.c.u-tokyo.ac.jp

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