21世紀COE研究拠点形成プログラム 生命の文化・価値をめぐる「死生学」の構築
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ヴェルナー・フート、ウァルデマール・キッペス講演研究会
医療とスピリチュアリティ

日時2004年10月30日(土)14:00-16:30
場所東京大学法文1号館 215教室

2004年10月30日(土)、東京大学本郷キャンパス法文1号館215教室において、スピリチュアリティと医療の関係をテーマにした講演研究会が行われた。(共同主催、東京医学会および医学系研究科健康学習・教育学分野)

まず、ヴァルデマール・キッペス博士が死に行く人々へのパストラルケアの実践について具体例を織り交ぜながら、その意義を説明し、医療とスピリチュアリティ間の根源的な関係が指摘された。キッペス氏はドイツ人で、日本滞在も長く、今は臨床パストラル教育研修センター所長を務めている。

続いてミュンヘンの精神科臨床医で、スピリチュアリティに関わる著述家でもあるヴェルナー・フート博士の講演に入った。妻で精神科医のアルムート・フート博士も協力しつつ、自らの精神科医としての経験を踏まえ、人間の心と身体について、また医療とは何かについての原理論的な考察を展開した。(通訳、金沢大学でドイツ文学を教える志村恵氏)

フート氏によれば、スピリチュアリティとは、「現実生活の全体に気配りする、スピリットに従った生活」であり、スピリットとは「私とは誰か」「人間とは誰か」という問いに関わるものであるという。そして、自然科学的アプローチに片寄った近代医学は、スピリチュアルな次元を回復しつつ人間の全体性に関わるような実践へと展開していかなくてはならないことが主張され、会場からの質問で大いに議論は盛り上がった。

シンポジウムの様子 シンポジウムの様子

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