21世紀COE研究拠点形成プログラム 生命の文化・価値をめぐる「死生学」の構築
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公開シンポジウム
国際研究会議「死とその向こう側」

ワークショップA 「進んで死を迎える」
日時2006年2月18日(土)9:30-12:15
場所東京大学法文2号館 1番大教室
報告者杉木恒彦 (東京大学COE研究員)
マリーヌ・カラン (フランス国立学術研究所)
小峯和明 (立教大学)
コメントフランソワ・ラショ (フランス国立極東学院)
司会島薗進* (東京大学)
公開シンポジウム
日時2006年2月18日(土)14:00-17:30
場所東京大学法文2号館 1番大教室
基調講演フランシスキュス・ヴェレレン (フランス国立極東学院)
ジャン=ピエール・アルベール (フランス社会科学高等研究院)
コメント塩川徹也 (東京大学)
古橋信孝 (東京大学)
司会多田一臣* (東京大学)
クリストフ・マルケ (フランス国立東洋語・東洋文化研究院)
ワークショップB 「非業の死を受け止める」
日時2006年2月19日(日)9:30-12:10
場所東京大学法文2号館 1番大教室
報告波平恵美子 (お茶の水女子大)
池澤優* (東京大学)
ヴァレリー・ロバン (トゥルーズ第2大学)
コメントアンヌ・ブッシィ (フランス国立極東学院)
司会フランソワ・ラショ (フランス国立極東学院)
ワークショップC 「死者とともに生きる」
日時2006年2月19日(日)13:30-16:10
場所東京大学法文2号館 1番大教室
報告池上良正 (駒澤大学)
アニェス・フィーヌ (フランス社会高等科学研究所)
クローディーヌ・ヴァッサス (フランス国立科学研究センター)
コメント末木文美士 (東京大学)
司会藤田克己 (東京大学)
ワークショップD 総合討議
日時2006年2月19日(日)16:30-18:30
場所東京大学法文2号館 1番大教室
司会多田一臣* (東京大学)
アンヌ・ブッシィ (フランス国立極東学院)
*事業推進担当者
poster

 人文社会系研究科・文学部の21世紀COEプログラム「死生学の構築」が主催する国際研究会議「死とその向こう側」が、2月18日(土)、19日(日)の両日、文学部一番大教室において開催された。この研究会議は、フランスの二つの研究機関、すなわちフランス極東学院とトゥルーズ人類学研究所と共同で開催されたもので、フランスからはそれぞれの機関の代表者を含め計九名の研究者が参加した。司会まで含めると、登壇者が二十名にも及ぶ、きわめて大規模な会議であった。

 全体は、基調講演を中心とする公開シンポジウムを軸に、「進んで死を迎える」「非業の死を受け止める」「死者とともに生きる」と題する三つのワークショップから構成され、最後に「総合討論」が置かれた。大盛況の中、有意義な発表及び討論を重ねることができた。

 発表内容は、地域的には日本・中国・インド・南米・ヨーロッパ、時間的には太古から現代にまで及び、多様な議論が展開された。広い意味での生者と死者との交流のありかたを考えることが、今回の会議の中心であった。

 基調講演は、フランシスキュス・ヴェレレン氏(フランス極東学院院長)が、中国道教の思想の中で、死者がどのような存在と見られていたかについて論じ、そこから祖霊の祟りをいかに鎮めるか、という問題を提起した。またジャン=ピエール・アルベール氏(トゥルーズ人類学研究所所長)が、自発死の問題を取り上げた。殉教的な死(あるいは英雄的な死)をどう見るか、それは自殺とどう違うのか、という問題を提起した。

 以下、「進んで死を迎える」では、よりよい死を迎える方法が、「非業の死を受け止める」では、非業の死者が生者に幸いをもたらす存在へと移行するプロセスが、「死者とともに生きる」では、死者の存在を身近に感じる多様な文化のありかたが、それぞれ議論された。今後も日本とフランスの間で、このテーマをさらに深めていくことを確認して、成功裏に終了した。

シンポジウムの様子 シンポジウムの様子 シンポジウムの様子

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