21世紀COE研究拠点形成プログラム 生命の文化・価値をめぐる「死生学」の構築
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公開シンポジウム
儒教における生と死
(Life and Death in Confucianism)

日時2005年4月23日(土)13:00-17:30
場所東京大学医学部教育研究棟・鉄門講堂14F
講演者 An "Anthropocosmic" Perspective on Creativity
創造性についての「人類宇宙的」パースペクティブ

杜維明  (ハーヴァード大学燕京研究所所長
ハーヴァード大学東アジア言語・文明学科教授)

死を見据える――儒教と武士道
小島 毅 * (東京大学)
コメント坂部 恵(桜美林大学)
馬淵昌也(学習院大学)
司会渡辺 浩(東京大学)
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*事業推進担当者

本シンポジウムは、杜維明氏の基調講演を中心に儒教における死生観の問題を検討する試みとして準備された。会場には百名を超す来会者があった。

 まず島薗進氏が挨拶を行い、杜氏を迎えて東アジアの死生観について意見交換できることの意義を説いた。つづいて杜氏がAn "Anthropocosmic" Perspective on Creativityと題する基調講演を行った。Anthropocosmicとは、中国古典に見える天と人との相関関係から世界を捉える見方を、英語で表現したものである。次に、小島毅氏が「死を見据える」と題して、日本の武士道が儒教と融合していくなかで、ある価値のために自分の命を投げ出すことをどのように理論化していったかを、杜氏のような現代新儒家が生まれる前史・背景の思想史的紹介にもからめて、報告した。

 ここで休憩をはさみ、2人のコメンテーターが登壇した。まず、桜美林大学の坂部恵氏(東大名誉教授)から、杜氏の言うAnthropocosmicな哲学は近代以前の西洋にも見られ、むしろそれを失っていったところに近代の特質が存すること、また、小島氏が指摘した明治以降の西洋思想受容の問題点もこれと関わることが指摘された。次に、学習院大学の馬淵昌也氏から、杜・小島両名の報告では触れられなかった儒教と死に関する問題について、たとえば民衆が信仰する道教などとの関わりや、死者への祭祀の習俗の捉え方が今後の課題として示された。  その後、4人の報告者が壇上に並び、渡辺浩氏司会のもと、相互の見解に対する意見表明や、来会者からの質問への応答が活発になされた。

シンポジウムの様子 シンポジウムの様子 シンポジウムの様子

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