グレニス・ハワース氏講演研究会 イギリスとヨーロッパにおける死生学の現況 (Current Developments in Death Studies in the UK and Europe)
日時 | 2004年4月8日(木)17:00-19:00 |
場所 | 東京大学法文1号館 217教室 |
共催 | 哲学会 |
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ハワース氏の講演研究会では、イギリスにおける "Death Study" の内実と変遷に関する分析が行われた。 "Death Study" には、死に関する人文社会科学的な研究、実際に死の現場に足を踏み入れる臨床実践、生命倫理学的な探求などさまざまな要素がある。イギリスにおいて、それぞれがどのような姿を見せ、互いにどのように分離・関連を持ち、そしてその歩みがどのようなものであったかが検討された。
イギリスにおける生命倫理の探求は、おもに臨床の専門家によるものであり、アメリカ(およびその影響を受けた日本)のような「生命倫理学」という独立した分野が存在するわけではないこと。しかし近年、そうした臨床的な生命倫理の探求が、人文社会科学的な探求と関連を持つ傾向が見られること。さらに、宗教がケアの実践を担うという、他国ではしばしば見られる傾向がイギリスにはないことなど、イギリス独特の "Death Study" の様子が述べられた。
質疑応答では、学校教育課程への「死学」の導入に関する議論などが行われた。また、オーストラリアにおいて同様のテーマの研究を行っているアラン・ケリヒア教授が聴講していたことから、イギリスとオーストラリアと日本の死生学の比較にまで議論は広がった。
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