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ごあいさつ

 日本心理学会第67回大会を,平成15年9月13日(土)から15日(月)までの3日間,東京大学本郷キャンパスで開催いたします.大会の概要,発表,参加の申し込みの方法などをお知らせするための第1号通信をお届けします.

 東京大学(当時の東京帝国大学文科大学)に,元良勇次郎教授によって精神物理学実験場が開設されましたのが1903年,来年はその100周年を祝う年であります.また本学において,心理学が哲学科心理学専修として独自の卒業論文規定を作った年,つまり,東京大学のみならず,日本おいて,心理学が独立したディシプリンとして旗揚げしたのが1904年.来年はそれからちょうど100年目の年にも当たります.

 元良教授による実験心理学実験場は,本郷キャンパス,現在の安田講堂の裏手あたりに建てられていました.当時のキャンパスはほとんどすべてが大震災によって失われており,現在では当時の様子を伺い知るよすがもありませんが,こうした記念すべき年に,また,その建物とほど近い場所で日本心理学会の大会を開催し,皆様と共に日本の心理学の歴史を顧み,その現在,未来を考え,論じ合えることは,本学教官一同にとっておおきな喜びです.東京ではあまり,ご当地自慢ができませんので,もう少し歴史に触れさせていただきますと,1903年の精神物理学実験室の開設は,1879年のヴントによるライプツィヒ大学における世界最初の心理学実験室開設,1883年のジョンズホプキンス大学における米国最初の心理学研究室の開設からそれほど大きく後れたものではありません.また元良教授による最初の精神物理学の講義は実験室開設を遡ること15年,1888年に行われております.日本の心理学もけっこうがんばったな,というところです.

 現在ほど,心理学への期待が高まっている時代はありません.それと同時に,現在,日本の心理学は資格の問題をはじめ,教育,研究者養成などの制度上の多くの問題を抱えております.もちろん,学会の大会の第一の目的は最新の研究成果を発表し,それについて議論をつくすことです.その面で意義のある大会にしたいというのは我々の最大の望みですし,そのために様々な工夫をこらしていきたいと思っています.その上で,上記のような心理学の抱える問題,心理学全体の将来像についても多くの議論を交わせる場にしていきたいと考えております.そのために,研究発表のあり方,ワークショップ,シンポジウムなどの企画など準備委員会のメンバーで無い知恵を出し合っております.まだ間に合います.皆様方からも多くの建設的な意見をお寄せいただければ幸いです.

 東京大学は本郷駒場など複数のキャンパスがあり,心理系の学科,専攻も多くのキャンパス,部局に分散しています.委員長の私自身が所属する人文社会系研究科・文学部心理学研究室には6名のスタッフしかおりません.しかし,本学には人文社会系の社会心理学教育学研究科総合文化研究科(駒場キャンパス),社会情報研究所情報学環・学際情報学府医学系研究科などさまざまな部局に,総勢30名以上の心理学関係者が所属しています.今回の大会の開催に当たっては,組織の壁を越えた東京大学の心理系のパワーを結集して準備を進めています.

 まだまだ準備があまり進んでいない状況ですが,楽しい大会,参加してよかったなと思われる大会にしたいと一同,知恵を絞っているところです.専用ホームページを開設し,大会に関する情報は,逐次お知らせする予定です.多くの会員の皆様の参加,発表を心からお待ちしております.

2002年 12月
日本心理学会第67回大会準備委員長
東京大学人文社会系研究科
佐藤 隆夫

(第1号通信より改変)


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