研究室の紹介

こちらのページでは東京大学フランス語フランス文学研究室の概要、特徴、専任教員をご紹介しています。
本研究室での研究活動については、「フランス文学研究について」のページもあわせてご覧ください。
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研究室の概要

名称 東京大学文学部・人文社会系研究科
フランス語フランス文学研究室
研究分野 フランスの文学・思想、
フランス語の言語学、
フランコフォニー等
専任教員 教授 : 中地義和、塚本昌則 、 野崎歓
准教授: Marianne Simon-Oikawa
助教 : 前之園望
フランス語表記 Université de Tokyo
Faculté des Lettres, École doctorale des Sciences Humaines et Sociales
Département de Langue et Littérature Françaises
住所 〒113-0033
東京都文京区本郷 7-3-1
文学部3号館3階
所属学生数 学部:16名 修士課程:12名  博士課程:12名
英語表記 University of Tokyo
Faculty of Letters, Graduate School of Humanities and Sociology
Department of French Langage and Literature
電話
FAX
03-5841-3842
03-5841-8966
設立年 1889年

研究室の特徴

辰野隆

フランス文学には社会の中に人間を据えつけ、その行動を通して人間性を探求すると同時に社会と人間との関係を描いた作品が多くあります。フランス文学研究は必然的に人間と社会についての考察につながります。本研究室の初代日本人教授辰野隆(右の肖像画)は達意の翻訳によってフランス文学の紹介に努めたほか、人間味あふれる洒脱な語り口の随筆と風刺のきいた社会批評によって多くの人々を啓発しました。第二次大戦中、渡辺一夫はラブレー研究を手がかりに狂信的な時代を疑い続け、戦後、反人間的な精神のこわばりを批判するユマニスム(人文主義)の紹介によって思想界の一翼を担いました。その薫陶を受けた大江健三郎は社会批判を作家活動の中核に据え、さらに尖鋭的な感覚に満ちた独自の小説世界を構築してノーベル文学賞を受賞しました。卒業生は作家になる人やジャーナリズム活動に携わる人が少なくありませんが、フランス文学のこのような特徴を反映してか、社会や制度に対する批判的なスタンスを持ち味にして活躍する場合が多いようです。

研究室

この学風は現在でも継承され、本研究室ではなによりも自由と批判精神とを尊重しています。授業は厳密なテクスト講読の形をとり、自己の解釈を常に辞書や参考文献と対照させて批判的に検討する読解態度を習得することを目的としています。個々の学生の自発性は常に尊重され、学生はこのような厳密なテクスト読解の方法に馴染んだ上で、仲間同士で切磋琢磨して考えを相互に検討しあいながらみずからの研究テーマを育て、立派な研究論文に仕上げていきます。言い換えれば、フランス語とフランス文学を学ぶ過程で、ルネサンス・ユマニスム、近代合理思想、啓蒙思想、フランス革命思想など、常に時代を切り開いてきたフランス文学の持つダイナミスムをみずから身につけるのです。

文学部3号館

現在、専任日本人教員は4名で、中世文学から20世紀文学までを専門的かつ幅広く学べるようになっています。また、外国人教師・外国人非常勤講師によるフランス語の授業も多く、実践的なフランス語の運用能力が獲得できるようにも配慮されています。エコール・ノルマル・シューペリウール(高等師範学校)をはじめとするフランス語圏の教育機関とは提携関係にあり、毎年大学院の学生から数名を留学生として送り出し、フランスで博士論文を提出する人も増えています。フランスの学界との交流は盛んで、年に10名内外の鋭意のフランス人研究者が研究室を訪れて講演会やセミナーが催されるほかに、提携先からのフランス人留学生はよく本研究室に馴染み、学部・大学院を問わず日本人学生と自主的に勉強会を持っています。

専任教員の紹介

  • 中地義和

    NAKAJI Yoshikazu

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    • 研究の第一の軸はフランス19世紀の詩。ボードレール、ランボーを中心とする個別詩人研究と併行して、詩言語の変遷の論理と様態とを、世紀を縦断する広い視野で捉えること。伝統的韻文の形骸化の意識の深まりとともに、詩句が厳格な規範から解放されて自由詩に行き着く動きが一方にあり、近代特有のジャンル「散文詩」の発生を伴う散文の変質が他方にあるが、歴史文化的ファクターを考慮しながら、これら二つの動きの関係を探ることが目下の課題である。もうひとつの軸は、ル・クレジオを中心とする現代小説の研究。「フランス」を相対化する視点をもつ作家・作品に関心がある。
  • 塚本昌則

    TSUKAMOTO Masanori

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    • 専門は、フランスの20世紀文学。とりわけポール・ヴァレリーを中心に、フランス近代文学を《詩学》(制作学)の観点から研究している。《詩学》とは、ジャンルとしての「詩」ではなく、テクストが産みだされる時に働くさまざまな力、矛盾、危機を解明しようとする研究である。また、言葉とイメージとの関係にも興味があり、夢、絵画、写真 といったイメージの多様な現れを、フランス近現代の作家たちがどのように言語化しようとしたかも追求している。これらの研究を通して、 《近代》という時代の特質を捉えることを目指している。
  • 野崎歓

    NOZAKI Kan

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    • 専門は19世紀の詩人・作家ジェラール・ド・ネルヴァル。旅行記から夢の物語へと移行する散文テクストの豊かな可能性に魅了されてきた。現在、その代表作である『東方紀行』(1851年)の読解に取り組んでいる。また、フランス小説の現在に関心を寄せ、翻訳紹介に携わっている。映画も研究対象の一つ。拙著『フランス小説の扉』『五感で味わうフランス文学』『われわれはみな外国人である――翻訳文学という日本文学』『ジャン・ルノワール 越境する映画』などを覗いてもらえれば、関心のありかをおわかり頂けるだろう。
  • マリアンヌ・シモン=及川

    Marianne SIMON-OIKAWA

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    • 専門は、フランスと日本におけるテキストとイメージ研究です。テキストとイメージ研究とは、絵画に関するテキスト、テキストからインスピレーションを得た絵画(イメージ)、イメージ化したテキスト、さらにタイポグラフィーや本の挿絵なども研究対象としています。その中で、私は特に絵画に関するテキストとイメージ化されたテキストに興味を持ち、ビジュアル・ポエトリー(視覚詩)、文字絵などを研究しています。フランスだけでなく、日本の作品も研究していますから、その意味では純粋なフランス文学の分野というよりも、日本とフランス、テキストとイメージという二重の比較研究になるわけです。