科学社会学会設立のご案内


 科学・技術と社会の会(Japan Association for Science, Technology & Society 略称JASTS)は1988年に設立され、同会を母体に1992年に『年報 科学・技術・社会』が創刊され、現在にいたっています。おかげさまで、昨年創刊20周年を迎えることができました。それを機に、『年報 科学・技術・社会』をより安定的に刊行し、学術雑誌として拡充するため、本年12月に科学社会学会を設立し、学会誌として同誌を移管して刊行を継続したいと考えています。
 奇しくも、『年報 科学・技術・社会』が20巻目の刊行を迎えた昨年、東日本大震災・福島第一原発事故に遭遇することになりました。同誌を場に展開する学術活動が、あと知恵を利することなく、これまでの学問と社会のあり方の見なおしにつながる成果を生み続けることを願っています。


(学会化の背景)
 『年報 科学・技術・社会』の出版元であるI & Kコーポレーション(旧弘学出版)は、出版業界の厳しい状況にもかかわらず、いわば文化事業として同誌のために協力を惜しまれず、こんにちにいたりました。しかしながら、昨今の学術出版をめぐる情勢では、現状のままこれ以上の無理をお願いするわけにもゆかない状況に立ち至りました。さりとて、せっかく長年続けてまいりました『年報 科学・技術・社会』をここで廃刊にすることだけは回避しなければなりません。そこで、科学社会学会を設立し、学会誌として安定的に刊行する方向で学術活動を継続するという決断をいたしました。科学社会学会という学会名ですが、広く技術に関する社会学的研究も扱います。ささやかでも、これまでの活動をふまえて学術成果の継続的な発表と闊達な検討の場を確保することをめざす所存です。
 長い間『年報 科学・技術・社会』を支えてくださったすべてのみなさまに、感謝の意を表したいと思います。そして、新たに科学社会学会の発起人となってくださったみなさま、そしてこれから新たに学会誌となる『年報 科学・技術・社会』に投稿してくださるみなさま、さらに学会員として関与していただける広汎なみなさまの参加と、新たな学会へのご支援を引き続きお願いする次第です。
 具体的な手順は以下のとおりです。設立大会は本年12月1日、あるいは12月1日−2日を予定しています。そのときに設立総会を開催し、発起人会で起草した規約を入会予定者各位に承認していただきたいと考えています。そのために、発起人会のメーリングリストを設け、規約の起草作業をすすめてまいります。また、今後の設立準備においてはさまざまな事務作業の発生が予想されます。そこで、発起人メンバーから定松淳、立石裕二、寿楽浩太の各氏に事務担当の役割を依頼し、ご快諾をいただきました。


(参加の手続)
 すでに科学・技術と社会の会の会員で今年度の年会費を振込済のみなさまは、そのまま学会員にご移行いただけます。また、新たに学会に参加ご希望のみなさまは、今年度に関してはまず科学・技術と社会の会にご入会いただきますようお願い申し上げます。どなたでも、ご入会いただけます。いずれの場合も、2012年度の年会費(3000円)の納入を郵便振替番号00200-6-5694(加入者名:JASTS)にお願いします。入会金等は不要です。詳細は、科学・技術と社会の会の下記ウェブサイトをご覧いただければ幸いです。
 上記のいずれかの手続によって参加意思を表示していただいたみなさまは、学会設立大会で研究発表をすることができます。広く科学技術と社会の関係にかかわる多彩なテーマを歓迎いたします。ご希望の方は、お名前、ご所属、発表タイトル、発表要約(800字以内)を2012年7月20日(金)までに、下記の電子メールアドレスへお送りください。




科学・技術と社会の会事務局
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
東京大学大学院人文社会系研究科 松本三和夫研究室気付
電子メール: jasts.office@gmail.com


科学社会学会 設立発起人:
伊藤憲二(総合研究大学院大学)、小川慎一(横浜国立大学)、喜多千草(関西大学)、小松丈晃(北海道教育大学)、才津芳明(茨城県立医療大学)、定松淳(東京大学)、佐藤靖(科学技術振興機構)、寿楽浩太(東京電機大学)、鈴木晃仁(慶應義塾大学)、鈴村興太郎(早稲田大学)、立石裕二(関西学院大学)、額賀淑郎(東京大学)、馬場靖憲(東京大学)、舩橋晴俊(法政大学)、松本三和夫(東京大学)、見上公一(総合研究大学院大学)、三上剛史(神戸大学)、山岸俊男(北海道大学)、山中浩司(大阪大学)、吉岡斉(九州大学)



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