(11/24掲載)
1班ハールーン・アナイ氏第2回講演会(12/6)開催のお知らせ
1班aグループでは、今年度、新プロの外国人特別研究員として来日しておられるハールーン・アナイ(Harun Anay、マルマラ大学神学部助教授)氏の第2回目の講演会を、以下の要領で開催いたします。アナイ氏は、イスラム思想史の専門家で、イスタンブール大学哲学科で博士号を取得されました。氏の関心領域はイスラム思想史全般に渡りますが、特に、倫理思想・政治思想への造詣が深いものとなっております。一人でも多くの皆様のご参加を、心よりお待ちもうしております。
日時:1999年12月6日(月)13:00〜
場所:東京大学本郷キャンパス法文2号館・イスラム学研究室
題目:Politics and Sufism in Ottoman Thought(講演は英語で行われる予定です)
*問い合わせ先:東京大学文学部イスラム学研究室(担当:竹下、内藤)
tel.03-5841-3778 Fax 03-5841-3817(文学部代表)
(11/24掲載)
5・6班共催研究会(12/9)のお知らせ
5班・6班では、京都大学文学研究科・文学部西南アジア史学研究室との共催で、12月4日のペルシア語文書国際ワークショップのために来日されるマンスール・セファトゴル氏を囲んで、研究会を開催いたします。詳細は下記の通りですので、みなさまのご参加をお待ちしております。
日時:12月9日(木)15:30〜(参加自由)
場所:京都大学文学部東館(旧館)4階西南アジア史学資料室
発表者と題目:
マンスール・セファトゴル(テヘラン大学)
「サファヴィー朝後期(1666-1736)の宗教・社会構造」(ペルシア語: 通訳有)
*なお、研究会終了後に懇親会も予定されております。
*問い合わせ先
場所:西南アジア史学研究室(tel:075-753-2830)
研究会の内容:近藤信彰 e-mail nkondo@bcomp.metro-u.ac.jp
(11/24掲載)
クリストフ・ヴェルナー氏、マンスール・セファトゴル氏講演会(12/6)のお知らせ
12/4のペルシア語文書国際ワークショップのため、5・6班で招聘したクリストフ・ヴェルナー氏、マンスール・セファトゴル両氏の講演会を下記の通り、東洋文庫で開催いたします。あいにく平日ですが、みなさまのご来場をお待ちいたしております。
日時:12月6日(月)14:00〜17:00(参加自由)
場所:財団法人 東洋文庫 3F 講演室
発表者と題目:
1. Christoph WERNER(Bamberg University)
"What is a Mujtahid? Functions and Stratification of Tabrizi Ulama
in the Early Qajar Period". (英語:通訳なし)
2. Mansur SEFATGOL (Tehran University)
"Sakhtar-e Mazhab va Jame'e dar Iran dar Salha-ye Payani-ye Farmanrava-ye
Safaviyan(1666-1736/1077-1148)
(サファヴィー朝後期(1666-1736)の宗教・社会構造)"
(ペルシア語:通訳有り)
*問い合わせ:
東洋文庫 tel. 03-3942-0124(代)
6班事務局(東洋文庫内) IAS6@toyo-bunko.or.jp
近藤信彰(6班分担者) nkondo@bcomp.metro-u.ac.jp
(11/19掲載)
日本中東学会公開講演会「イスラームとヴェール:イスラーム社会理解のために」(12/4)のお知らせ
日本中東学会では、文部省科学研究費補助金「研究成果公開促進費」による公開講演会を1997年度から実施しておりますが、今年度は、宮治美江子会員、中西久枝会員、飯塚正人会員のご協力を得て、イスラーム世界の人々の社会や文化の現状、特にその半数を占める女性の生き方や社会進出のあり方などについて、〈ヴェール〉というキーワードをめぐって下記のとおり講演会を開催いたします。公開講演会の目的は、学会活動の成果を広く社会に還元することにありますが、学会活動の基本はひとえに学会員の積極的な参加にあります。ご多忙の折とは存じますが、多数ご出席下さり、活発な質疑応答と討論を通じて学会活動の一端を示す上でご協力いただければ幸甚に存じます。会場にはかなりの座席数があり、もちろん入場無料です。お知り合いの大学生・高校生・社会人などに広くご案内いただき、お誘い合わせの上ご来場下さい。
日時:12月4日(土)14:00〜17:00
場所:慶應大学三田キャンパス北新館4F会議室(JR田町駅下車5分)
講師と講題:
宮治美江子「女性の社会進出とヴェール:マグリブ(西アラブ地域)を中心に」
中西 久枝「イスラム革命とヴェール:その受容と近代性」
飯塚 正人「エジプトにおける女性の社会進出とヴェールの意味」
*問い合わせ先:日本中東学会事務局
TEL:03-5311-5873 FAX:03-5311-5871
e-mail:fuji-tyo@pa2.so-net.ne.jp
(11/19掲載)<12/1更新>
2c班「諸宗教の聖者概念」研究会(12/4)開催のお知らせ
イスラーム地域研究2班Cグループでは、スーフィズム・聖者信仰・タリーカに関する研究活動の一環として、下記の研究会を開催いたします。これまで、イスラームにおいて研究者が「聖者」と呼びならわしてきたワリーなど諸々の概念について、再検討の必要があることを提唱し、研究を重ねてまいりました。その際、わたしたちが日本語において用いる「聖者」の概念を洗い直してみることの必要もまた、痛感されましたので、日本語の「聖者」概念の形成に与ったであろうさまざまな信仰のうちから、ふたつの宗教、キリスト教と仏教における聖者ないし聖者に類する概念について、概論的なお話を中心に研究会を開催することといたしました。普段の研究会とは異なる広がりを持ち、新鮮な視点から研究に取り組む機会ともなろうと思いますので、ぜひ多くの皆様にご参加いただけますようお願い申し上げます。
研究会タイトル:諸宗教の聖者概念:イスラームにおける「聖者」概念再検討の試み
日時:1999年12月4日(土)13:30〜
会場:上智大学9号館3階358演習室→上智大学9号館2階256教室(会場変更)
(東京都千代田区紀尾井町7-1)
(JR中央線・営団地下鉄丸の内線・同南北線四谷駅下車)
(図書館斜め向かいの建物、1階が講堂になっております。)
発表者および題目:
竹下政孝(東京大学)「イスラームにおける聖者概念」
寺戸淳子(民族学振興会研究員)「キリスト教における聖者概念」
坂本要(東京家政学院筑波女子大)「仏教など日本の在来信仰における聖概念」
竹下政孝氏は皆様ご存じの通り、思想研究の側面からスーフィズムあるいは聖者信仰について多彩な研究をされておられます。 寺戸淳子氏は文化人類学をご専門に、フランスを中心としてキリスト教聖者信仰に関する研究を展開しておられ、坂本要氏は仏教を中心に、日本における在来信仰の民衆的実践に関する研究を数多く発表されておられます。
それぞれの方には30分から1時間程度で概要をお話しいただき、なるべくたっぷりと討論の時間をとる研究会にする予定です。
*研究会出席にとくに制限はありませんが、員数把握のため、事前に赤堀までメイル(m-akahor@hoffman.cc.sophia.ac.jp)を頂戴できると幸いです。
(11/16掲載)
5a班第3回「中東の都市空間と建築文化」研究会(12/11)のお知らせ
今回は、「情報化時代における研究」について、3人の方々にお話をお願いしております。それぞれ違った側面からのお話が聞けることと思います。お話の内容はあまり技術的に高度にならないで、研究の可能性についてわかりやすく、とお願いいたしました。
3人の専門家が揃いますので、基礎的な質問から、高度なコンピュータ利用まで、皆様の日頃の疑問に答えていただく時間も設けようと思っております。是非奮ってご参加ください。
日時:12月11日(土)13:30〜18:00
場所:東京大学東洋文化研究所 3階大会議室
報告:
浅見泰司(東京大学・都市工学)「コンピュータによる地域研究」
小林一枝(早稲田大学)「デジタル化時代のイスラーム美術史研究:画像データベース構築とその応用」
百瀬康司(東京工業大学)「マルチ・リンガル・データベースへの第1歩」
(11/16掲載)
5c班「回儒の著作研究会」第5回例会(11/20)のお知らせ
「回儒の著作研究会」では、下記のとおり第5回例会を行います。皆様のご参加をお待ちいたします。
日時:11月20日(土) 13:30〜17:00
場所:東京大学文学部アネックス・小会議室
内容:『天方性理』第1章7節「気著理隠図」
*詳細については黒岩cookie-1@mail.webnik.ne.jp
迄お問い合わせ下さい。
(11/16掲載)
第21回歴史地理情報処理研究会(12/10)のお知らせ
日時:12月10日(金) 13:00〜14:00
場所:東京大学法文2号館4階2425 水島研究室
テーマ:
インドポンネリにおける
1. 空間分布パターンから見たカーストの分類
2. カースト構成から見た村落の分類と空間構成
3. その他
(11/12掲載)
国際会議「イラン:グローバル化する世界における新たな展望」(11/15-16)のお知らせ
国連大学では11月15-16日に国際会議「イラン:グローバル化する世界における新たな展望」("Iran in a Globalizing
World : New Horizons, New Perspectives")が開催されます。会議では日本語・英語の同時通訳が付きます。プログラム等詳細は国連大学のWebページをご覧下さい。参加ご希望の方は、国連大学事務局までお問い合わせの上、お申し込み下さい。
イラン:グローバル化する世界における新たな展望
日程:1999年11月15-16日 (受付9:00〜)9:30〜18:00
場所:国際連合大学本部 国際会議場
*詳細は国連大学のWebページをご覧下さい
*お問い合わせ:国連大学事務局
150-8925
東京都渋谷区神宮前5-53-70
tel. 03-3499-2811
fax 03-3499-2828
e-mail: mbox@hq.unu.edu
(11/12掲載)
NHKスペシャル「イスラム潮流」シリーズ(全4回)放送のお知らせ
NHKスペシャル「イスラム潮流」シリーズ4本の放送予定がきまりました。いずれも総合テレビでの放送です。どうぞご覧下さい。
第1回 11月14日(日)21:00〜
「すべてはメッカに始まる:世界に広がる13億人」
第2回 11月19日(金)21:30〜
「人も金も神がつくった:コーランと生きる」
第3回 12月5日(日)21:00〜
「マンハッタンの巨大モスク:急増するアメリカン・ムスリム」
第4回 12月12日(日)21:15〜
「衝突か対話か:イラン革命20年の軌跡」
(11/12掲載)
3a班「ムスリム・アイデンティティ」研究会開催(11/20)のお知らせ
IAS3班aグループでは、表記の研究会を、11月20日、下記の内容で開催いたします。研究員の皆さまのご出席をお願いいたします。
なお、この研究会は、「イスラーム地域研究」研究班3aと、地域研究企画交流センター・一橋大学連携研究「メディアに見るイスラム女性の実像と虚像」との共催となっております。
みなさまの参加と積極的な議論をお待ちしております。
日時:11月20日(土)15:00〜18:00
場所:一橋大学 本館1階特別応接室
発表者およびテーマ:
奥村みさ(千葉大学文学部・学習院大学法学部 非常勤講師)
「マレーシアの女性誌にみるマレー系女性と華人系女性の審美観の比較」
(11/10掲載)<11/12更新><11/24更新>
2・6班共催「現代ウズベキスタンにおけるイスラームの潮流」研究会(12/2)
→中止のお知らせ
6班で招聘予定でしたバフティヤール・ババジャーノフ氏(ウズベキスタン東洋学研究所)ですが、ご本人のやむをえない事情により、計画とりやめとなりました。
したがいまして、まことに残念ながら、当研究会も、取りやめることとなります。参加の予定だったかたはご注意ください。
関係各位に多大なご迷惑をかけ、まことに申し訳ありませんでした。
(11/10掲載)
日本イスラム協会主催「イスラーム美術に見られる聖なる表現」(11/27)のお知らせ
日本イスラム協会が毎秋主催するシンポジウムの詳細が決まりましたので皆様にお知らせいたします。どうぞふるってご参加下さい。
日時:1999年11月27日(土)14:00〜15:30
場所:立教大学 池袋キャンパス 4号舘3階4301教室
(東京都豊島区西池袋3-34-1)
池袋駅西口より徒歩7分・地下鉄有楽町線要町駅より徒歩6分
演題および内容:
「イスラーム美術に見られる聖なる表現」
イスラームにおいて人物・動物像の美術表現、特に宗教的な人物を描く絵画表現は禁止されていると、一般に考えられやすい。しかし、イスラームの聖典クルアーンには偶像崇拝の禁止が述べられているだけで、実際にはこうした絵画が禁じられていた訳ではない。今回はイスラームの預言者二人―ユースフとムハンマド―を主題とするペルシア写本絵画を取り上げ、聖なるテーマがどのようにイスラーム美術で表現されてきたかを考える。
パネラー:小林一枝(早稲田大学)
桝屋友子(東京大学東洋文化研究所)
*入場は無料です。
*お問い合わせ先
社団法人 日本イスラム協会(Association for Islamic Studies in Japan)
〒113-0033東京都文京区本郷7-3-1
東京大学東洋文化研究所西アジア部門室内
tel & fax 03-3815-9565
e-mail : islam@ioc.u-tokyo.ac.jp
(11/10掲載)
5c班「比較史の可能性」第3回研究会「市場経済と資本主義」(12/23)のお知らせ
第3回比較史研究会は「市場経済と資本主義」をテーマに、つぎの要領で開催いたします。年末の忙しい時期になりますが、多くのご参加をお待ちしております。今年度の最後の研究会になりますので、「所有」「契約」と積み重ねて来た論点を組み込んで、総括討論を行いたいと考えております。第1・2回にご参加頂いた方はもちろん、ご都合のつかなかった方を含め、皆様のご参加をお待ちしております。
参加のお申込を頂いた方には、報告要旨(参考文献付)を事前にお送り致しますので、どうか12月10日(金)までに、5班事務局5jimu@ioc.u-tokyo.ac.jpまでご連絡下さい。なお、第1・2回の報告要旨および討論要旨は、第5班のWebページ「活動報告」欄に掲載しております。
日時:12月23日(木・祝日)12:30〜18:00
場所:東京大学東洋文化研究所 3階大会議室
プログラム:
12:30-14:00 石川 登(京都大学、東南アジア文化人類学)
「国際ゴム協定(1934年)と密貿易:ボルネオ西部国境地帯のゴム市場と焼畑農民」
14:15-15:45 加藤 博(一橋大学、中東社会経済史)
「再考「『市場社会』としてのイスラム社会」」
16:00-17:30 古田 和子(慶応義塾大学、中国経済史)
「中国における市場、仲介、情報」
17:30-18:00 総合討論
*討論の具合によっては終了時刻を延長することもありますので、ご了承下さい。
*会の終了後、簡単な懇親会を予定しております。
<「市場経済と資本主義」研究会の趣旨> 関本照夫(東京大学、文化人類学)
以下には、自分の考えをまとめて述べると言うより、前提となる課題や設問を羅列してあります。
現在「市場経済」という言葉は、しばしば「資本主義」と同義に使われる。また「資本主義」は近代の現象とみなされ、前近代はいわゆる自給経済が卓越する社会とみなされる。こうした常識的見方によれば、非西欧のローカルな諸社会は、世界大のグローバルな市場経済という能動的な主体から、影響を受け変容を被り規定される受動的な存在としてのみ描き出されることになる。こうした枠組みを、中国、東南アジア、中東の諸社会の実例によって再検討し批判する事ができるのではないだろうか。
そこでは、西欧近代に発して世界に広がったいわゆる産業資本主義だけが「ほんとうの」資本主義だという見方を、批判的に再検討することも必要だろう。また、ローカルな諸社会が市場や資本主義と接合する時になにが起こっているのか、平板な社会進化論とは異なった詳細な検討をすることも可能だろう。
予備的前提としては、「資本主義」という概念について、一致した一つの定義にたどり着くのではなくとも、若干の検討を加えてみたい。ブローデル(『物質文明・経済・資本主義 15ー18世紀』みすず書房)がいう物質生活、市場経済、資本主義の三層構造、また資本主義を特殊近代の現象としない広い見方を、我々もとるべきだろうか。かれの15ー18世紀のヨーロッパに立脚した論の、中国、東南アジア、中東への応用はどんな結果を生むのだろうか。歴史家として時期を限定して論を進める彼が明瞭には述べていない近代工業化以後の資本主義は、やはりそれ以前からの決定的な飛躍だったのだろうか。マルクスやウェーバーの勤勉=インダストリー=工業に焦点をおいた見方があり、またブローデルや岩井克人流に、あらゆる種類の差異、ヒエラルキー、独占、権力を動員して貨幣価値の増殖を目指す活動とする見方もある。どちらの見方をとるかはどの地域について論ずるかに左右される問題かもしれない。中国、東南アジア、中東いずれをとっても、リジョナルに発達した大規模な市場経済の中心地を論ずる時には、西欧に対し独自性をもつ大きな経済のダイナミックスが語られがちであるし、辺境のより自給的だった経済を取り上げれば、近代の資本主義と植民地主義がもたらした変化が語られがちだろう。だがいずれにしても、既存の著名な経済・歴史理論との関係で概念をどう使うかについては、意識的で明瞭でありたい。
「市場経済」という概念にも考えておくべき問題がある。この言葉は、社会主義ブロックの崩壊以降、グローバル資本主義というのと同じ意味で使われる傾向があるが、もちろんこの言葉から我々が思い描くものは多様である。内部においてかなりに自給的な地域コミュニティー間で余剰物や特化産品が交換される狭い地域的市場、権力が介在し独占的で特殊なルールに支配される遠隔地交易、近代の世界大の市場経済というのが、ふつうに考えられる類型だろう。この三類型論は十分に満足すべきものだろうか。上記の資本主義論との関係で、そこで何か見落としているもの、視野から落ちてしまうものはあるだろうか。また、とりあえずこの三類型論を受け入れるとして、この三者間の関係はいかなるものだろう。地域的市場と遠隔地交易という前近代の組み合わせが、近代において資本主義的市場経済に浸食されていくという一般的な理解に、修正や批判は必要だろうか。
以上を前提として次にローカルな経済とそれを越えた大きなシステムとの関係を考えてみたい。冒頭でふれた非西欧の諸ローカル社会は外部からの影響に振り回されるだけの受動的客体なのかという問題である。春日直樹は「(地域社会の)資本主義への接合は・・・、現地の生産様式や資本主義自体の差異によって質的に異なるものになり・・・」と言う(「経済I−世界システムの中の文化」米山俊直編『現代人類学を学ぶ人のために』世界思想社、1995,p.104)。同じく人類学者のサーリンズは「世界システムのハワイ文化への『効果』とは、このポリネシア・システムが資本主義体験をいかに自己の文化にそぐように仲介したのか、をみることによってはじめて理解できるのである」と言う
(M. Sahlins, "The political economy of grandeur in Hawaii from 1810
to 1830," in E. Ohnuki-Tierney (ed.), Culture through Time. Stanford
University Press, 1990)。市場経済との接触によってどうローカルな社会が変容するかではなく、ローカルな主体がどう資本主義や大きな市場経済と折り合いをつけるか、取り込み消化するか、またそこにどのようなもつれ合いが生じるかを考えてみたい。 こういう言い方は誤解を招くものかもしれない。ローカルな諸社会と外部の大きなシステムが独立した二つの主体のようにだけ描かれてしまい、ローカルな独自性を探求するか、大きなシステムの普遍的力を語るかという二者択一に追い込まれてしまうからである。実際は両者はかなりに表裏一体のものであり、互いが互いを作り出しあうような関係にある。資本主義は無秩序と不安定を固有の本質とするものであり、すべてを統括する全能の管理者ではない。一方、ローカルな生活様式の総体や伝統は時を越えて一貫した主体ではなく、外部との関係においてたえず自らを変えながら、まさに外部との関係においてのみ、不変で一貫したものであるかのような自己像を内部に生み出す。ただそこでは、意識化・言語化された公式の文化の自画像
のさらに底部に、言説化されぬまま身体性や民俗知識とからみあったプレ文化・プレ伝統があって、ローカルな生活の慣習や制度の基礎になっている。こうしたものが社会生活を基部で支えていることが前提になって初めて、資本主義の無政府的なダイナミズムも発現可能となるのである。ローカルな生活を孤立して描くのでなく、ウォーラーステイン流にシステムの側のみから語るのでもなく、ローカルと大システムの相互作用を描くことがどのように可能か検討してみたい。
(11/10掲載)
5b班第2回「地域間交流史の諸相」研究会(1/8)のお知らせ
2000年になって最初の研究会です。どうぞふるってご参加ください。本研究会は、東京外語大AA研共同プロジェクト「イスラーム圏における国際関係の歴史的展開:オスマン帝国を中心に」(主査:黒木英充)との共催の形をとります。
日時:2000年1月8日(土)14:00〜18:00
場所:東京大学東洋文化研究所 3階大会議室
報告:
1)深沢克己(東京大学人文社会系研究科)
「近世フランス港湾都市における商人社会の編成:地域間結合と国際ネットワーク」
2)栗山保之(日本学術振興会・特別研究員)
「17世紀のハドラマウト情勢(仮題)」
*参加ご希望の方は、あらかじめメールで5班事務局5jimu@ioc.u-tokyo.ac.jpまでご連絡頂ければ幸いです。
(11/10掲載)
6班第11回アラビア語写本史料研究会(11/21)のお知らせ
次回のアラビア語写本史料研究会は以下の要領でおこないます。皆様の参加をお待ちしています。なお、初めて参加される方は、谷口まで御連絡下さい。テキスト等をお届けします。
日時:1999年11月21日(日)13:00〜
場所:京都大学文学部 西南アジア史学資料室(東館4階)
担当者:村田靖子
範 囲:59頁3行目〜61頁末
使用テキスト:Hilal al-Sabi'. Rusum al-Dar al-Khilafa. Ed. `Awad, Mikha'il.
Baghdad, 1964.
(英訳:Salem, Elie A. (tr.) Rusum al-Dar al-Khilafa. Beirut, 1977.)
*当研究会に関するお問い合わせは、谷口(tan-jun@ma1.seikyou.ne.jp)へお願いします。
*研究会会場に関するお問い合わせは、近藤(Kon-ma@mb3.seikyou.ne.jp)へお願いします。
*当研究会のウェブページも御覧下さい。URL:
http://ha1.seikyou.ne.jp/home/tan-jun/
(11/10掲載)
イスラム国家論研究会11月例会(11/20)のお知らせ
今月の例会は、慶応大学大学院博士課程の田口晶さんに発表をお願いしました。本発表では、近代のオスマン朝社会を舞台に展開された「オスマン−アラブ主義」の潮流について、興味深い分析を提示していただけるものと思います。どうぞ大勢の方々の御参加をお待ちしています。
日時:11月20日(土)13:30〜17:00
会場:東京大学本郷キャンパス 法文1号館317教室
報告者:田口 晶 (慶応大学大学院博士課程)
題目:「オスマン-アラブ主義者のディレンマ:〈盟約協会〉の設立とその活動」
コメンテーター:粕谷 元 氏(日本大学)
*会場は東大正門から入って銀杏並木を直進し、左側2番目の棟です。銀杏並木沿いの扉から入り、正面の階段で3階にお越しください。
*問い合わせ先:堀井優(e-mail: HZU03442@nifty.ne.jp)
(11/10掲載)
6班第3回「オスマン文書研究会」(11/20)のお知らせ
第3回オスマン文書研究会は、報告者にブルガリアからお見えのStefka Parveva氏とIAS6班研究協力者の清水保尚氏を迎えて行ないます。前半はStefka
Parveva氏にブルガリアにおけるオスマン文書の所蔵および研究の状況を紹介いただき、後半は清水保尚氏にオスマン朝の記録史料の概観をお話しいただく予定です。諸般の事情で1回にお2人の報告となりましたが、皆さまの積極的なご参加をお待ちしております。
日時:1999年11月20日(土)13:30〜(参加自由)
場所:東京大学文学部 文学部アネックス2階大会議室 地図はこちら
報告者および題目:
Stefka Parveva
"Sofia Oriental Archives: Structure, Organisation and Possibilities
of Research"
(報告は英語、通訳なし)
清水保尚
「オスマン朝における記録史料について」
*Stefka Parveva氏のプロフィール
専門:オスマン帝国支配下のブルガリア、特に17、18世紀の社会経済史
現在の所属:Bulgarian Academy of Sciences
経歴:Veliko Tarnovo大学卒業
Oriental Section of the National Library in Sofiaにて博士課程修了(1989年)
Ph.D.論文"The Bulgarian Population from the End of the 17th to the
Middle of the18th century -Demographic and Socio-Economic Aspects"
主要業績 :"The Network of Settlements and Population Density in Parts
of Northern Bulgaria and the Sub-Balkan Plains in the Late 17th and
Early 18th Century", Istoriyeski Pregled, Sofia, 1992, pp.32-50.(ブルガリア語)
*問い合わせ:6班研究協力者 高松洋一(buyurun@td5.so-net.ne.jp)
6班代表 林佳世子(hayashik@fs.tufs.ac.jp
)
(11/4掲載)
第42回羽田記念館講演会(11/20)のお知らせ
日時:1999年11月20日(土)14:00〜
場所:京都大学 文学部 羽田記念館
〒603-8832 京都市 北区 大宮 南田尻町 12
Tel. 075-491-6027 / Fax. 075-491-1052
WebページURL http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/hanedakk/
講演者および題目:
アブドラシティ・ヤコブ 氏(新疆大学 副教授)
「ウイグル語訳『千字文』について」
徳永 宗雄 氏(京都大学 大学院文学研究科 教授)
「ディジタル化時代の文献研究 --インド学を事例として--」
*当館には駐車場はありません。ご来館の節は公共交通機関をご利用下さい。上記のWebページに、主な交通機関の案内が掲載されています。
*17:30より懇親会が予定されております。こちらにもふるってご参加下さい。