1999年12月9日(木)開催
5班・6班研究会(京都大学大学院・文学部西南アジア史学研究室と共催)
於:京都大学文学部西南アジア史学資料室

発表要旨

Mansur SEFATGOL (テヘラン大学)

「サファヴィー朝後期(1666-1736)の宗教・社会構造」
 サファヴィー朝後期の宗教・社会上、3つの顕著な潮流が認められる。第一にタサッヴォフとスーフィーたちの弾圧、第二に宗教指導者内部のアフバリー派とオスーリー派の対立、第三に法学者と哲学者の対決である。これらの潮流は、コム、イスファハーン、マシュハドという3つの都市の三角形の中で展開された。サファヴィー朝がイランにおける12イマーム派最初の本格的政権であったこととあいまって、これらの潮流は、当時の政治的・思想的状況を規定し、複雑化した。

Bakhtiyar BABADJANOV(ウズベキスタン東洋学研究所)

「現代ウズベキスタンのスーフィズムをとりまく諸問題」
 現代のウズベキスタンでは、スーフィズムは極めて重要な政治的問題である。ソヴィエトの崩壊以降、各地でイスラーム、スーフィズムの復興が見られるが、これに関する正確な情報はウズベキスタンにおいても欧米においても非常に少なく、政策決定や現実の対応において困難が生じることが少なくない。スーフィズムの歴史・伝統をふまえつつ、信奉者の発行するビラや教義書等の一次資料に基づいた研究が今こそ必要であり、これなくしては、ウズベキスタン社会は非常な困難に直面するであろう。

 

招聘者の厳しい日程のなか、研究会の開催に多大なご協力を頂いた京都大学大学院・文学部西南アジア史学研究室に深謝いたします。(文責:近藤信彰)

 

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