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新着図書・雑誌のご紹介

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Armaghan

『アルマガーン』
(贈り物)

 

1298年K.H. Bahman 月(1920年1-2月創刊)。

創刊者はハサン・ヴァヒード・ダストゲルディー(Hasan Vahid Dastgerdi)。彼はエスファハーン生まれで立憲運動に参加するが、終息後、バフティヤーリー地域に追放される。その後、テヘランに出た彼はふたつの文学サークルを創設するが、『アルマガーン』誌はこれらのサークルの機関誌として創刊され、当時の指導的詩人、文人のフォーラムとしての役割を担った。1979年のイスラーム革命まで定期的に刊行された。本誌の守備範囲は広く、古典文学から歴史、社会問題、近代科学、技術、医療にまで及んだ。ダストゲルディーは本誌を通じて伝統の枠にとらわれることなく、若い作家の発掘に尽力した。本誌のもうひとつの特徴は、補遺としてネザーミーの『ハムセ』、ジャラーロッディーン・ルーミーやバーバー・ターヘル、オウハディーといった詩人たちの作品を刊本として出版したことであった。1928年以降は創作の出版にも力を注いだ。

東洋文庫所蔵のものは、イランでも珍しい長寿雑誌のほぼ完全なコレクションである。

(八尾師 誠)

 

 

Iran-shahr

『イーラン-シャフル』
(イランの地)

 

近代イランにおける教育改革に多大な足跡を印したミールザー・ホセイン・カーゼムザーデ・イーランシャフル(Mirza Hoseyn Kazemzade Iran-shahr)が長年に亙るヨーロッパ滞在の経験を活かしてベルリンで1922年6月に創刊したペルシア語誌。当時ベルリンに集まっていた錚々たるイラン人知識人たち(セイエド・ハサン・タギーザーデ、ミールザー・モハンマド・ガズヴィーニー、エブラヒーム・プールダーヴード、セイエド・モハンマド・アリー・ジャマールザーデら)との交流の中から生まれた。月刊で、4年間にわたり発行された。(最終は1927年2月刊)《・・・極めて庶民的で、内容はイスラム期以前のイランや、今日のイランの若者が直面している問題に関してである》と、『ペルシア文学史』で知られるE.G.ブラウンも述べているように、当時の代表的な一般的啓蒙誌であったが、一方で、ヨーロッパ諸国のイラノロジストたちの間でもてはやされ、高い評価を得ると共に多大な影響を与えた。

(八尾師 誠)