『医療現場に臨む哲学』内容案内
- 案内 : 内容について基本的なことのお知らせとして、「はしがき」と「あとがき」の一部を載せておきます。
- 出版データ: 勁草書房 / 1997年5月30日発行 / 2400円+消費税 /ISBN 4-326-15324-5
目 次
- 第1章 記述することとしての哲学
- 〈実践家に付き添う書記〉である哲学者
- 行為の記述は行為者のあり方を明らかにする
- 行為者の姿勢と状況把握との分かれの場である現場
第I部 医療現場の基礎記述
- 第2章 より自由であることを目指して---医療行為の目的
- よい生とQOL
- よい生・充実した生・よい状態
- 置かれた状態の評価------QOL一般
- QOLの一般的定義
- 医療の目的とQOL
- 医学的評価の対象となる環境
- 医療の目的をQOL概念を使って記述する
- 医療は患者の人生の充実を期待する
- 医療の場におけるQOL
- 医療においてQOL評価の対象となる環境および評価の要素
- 医療活動に応じて評価対象の範囲は異なる
- 「スピリチュアル」と呼ばれる領域の位置づけ
- 第3章 医療者--患者の共同を通して------医療行為のプロセス
- 共同行為としての医療
- 相手を人として遇すること
- 医療者--患者関係の諸類型
- 対等の立場で共同の行為を
- 決定への途
- 相互の情報提供に基づく合意へ
- 患者の自己決定権をどう理解するか
- 合意による決定が困難な状況
- 医療行為における患者のQOL
- 第4章 医療行為の倫理原則
- 倫理諸原則の位置付け
- 規範についての諸見解
- 社会的公正という座標軸
- 諸原理・諸規則間の優先性?
第II部 終末期医療の諸問題
- 第5章 真実を知らせることとしての告知 ------情報提供をめぐって
- 〈知らせる〉ことの医療における位置
- 「癌」という語のネットワーク
- 告知とQOL
- 第6章 ターミナル・ケアと緩和医療
- ターミナル・ケアをめぐる諸概念
- 〈ターミナル・ケア〉と〈ホスピス・ケア〉
- 〈緩和医療〉
- 緩和医療のプロセス
- 緩和医療に重点をおく際の理由づけ
- 全体的痛み及びその他の苦しみの要素からの解放
- 最後の日々に充実した生を送ること
- 尊厳ある死
- 死と向きあう心------スピリチュアル・ケアをめぐって
- 何を目指すか
- 死に直面した際の状況把握
- 何ができるか------サポートの仕方
- 第7章 生死のコントロール------尊厳ある死と安楽死
- コントロールされた死を巡る諸概念
- 安楽死の定義と区分
- 安楽死の区分
- 尊厳を保つための安楽死
- 積極的安楽死が認容される条件の実例
- 「終わりまで尊厳を保つ」という目標設定
- QOL 対 SOL
- 安楽死が許容される状況はあり得るか
- 緩和医療の論理
- 死以外には緩和の方途がないという状況はあり得るか
- その他の諸問題
- 第8章 死に向かう人間---時と永遠
- 死の理解と思想
- 「人格の死」と「身体の死」------二通りの死理解
- 死における〈人格〉理解の言語相対性
- 死についての思想・説明
- 人格の死と身体の死の連関
- 時の流れを越えて---永遠へ
- 過去・現在・未来という時の流れを見つつ生きる人間
- 永遠の視点から見れば全ては過ぎ行かない
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最新更新日 : july/2/1997