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奈良田方言の「つ」「づ」「ず」の発音

最終更新 2025.7.27

奈良田方言では、次のように、「つ」が [tu] と発音されます。また、濁音の「づ」は [du] と発音されるのが普通です。ザ行の「ず」は [ðu] ( [ʣu] [zu] のことも)と発音されますので、ザ行の「ず」とダ行の「づ」との区別が保たれていると言えます。ただし、その区別は失われつつあるようで、下の「恥かしい」~「静岡」のように「づ」が 破擦・摩擦音化して [ðu] や [ʣu] [zu] と発音されることもしばしばあります。また、下の「屑」「渦」など、歴史的には「づ」だったものが「ず」になっている語もいくつかあります。

▶ をクリックすると音声が再生されます。

奈良田 歴史的仮名遣い
▶ 頭痛 ヅツー づつう
▶ 続く ツヅク つづく
▶ 鼓 ツヅミ つづみ
▶ 綴方 ツヅリカタ つづりかた
▶ 図工 ヅコー づこう
▶ 小豆 アヅキ あづき
▶ 地図 チヅ ちづ
▶ 水 ミヅ みづ
▶ 三日月 ミカヅキ みかづき
▶ 恥かしい ハヅカシー はづかしい
▶ 疼く ウヅク うづく
▶ みみづく ミミヅク みみづく
▶ 静岡 シヅオカ しづおか
▶ 渦 ウズ うづ
▶ 葛と屑 クズトクズ くずとくづ
▶ 狡い ズルイ ずるい
▶ 髄 ズイ ずい
▶ 梅酢 ウメズ うめず
▶ 洪水 コーズイ こうずい
▶ 鈴 スズ すず
▶ 鼠 ネズミ ねずみ

以前の記録を見ると、奈良田では、「四つ仮名」すなわち「じ」「ぢ」「ず」「づ」の区別が保たれているとされています。しかし、現在では、イ段の「じ」と「ぢ」は発音上の区別がなく、話者の意識においても区別されていないようです。

先行研究と現在の状況を対照すると、四つ仮名の区別が次第に失われてきていると言えます。

※ 下の音声ファイルでは、左の語・右の語を各1回発話

歴史的仮名遣い 歴史的仮名遣い
▶ 舵 かぢ 火事 かじ
▶ 藤 ふぢ 富士 ふじ
▶ 生地 きぢ 雉 きじ
▶ 痔 ぢ 字 じ