トップ > 日本語方言の情報 > 富山県の方言地図 > 富山県におけるコピュラの分布

富山県におけるコピュラ(断定の助動詞「だ」)の分布

富山県におけるコピュラ(いわゆる断定の助動詞。共通語の「だ」)の分布を示したものです。1995~1999年に調査時60歳以上の男女を対象とした面接調査で得たデータをもとに作成しました。

富山県は、伝統的な方言区画論上は「西部方言」とされながらも、音韻・文法のいくつかの点において「西部方言」とはいいがたい特徴を持つことが指摘されています。「断定の助動詞」もそのような特徴の一つです。下の分布図に示したように、県中央(富山市周辺)では、東部方言的とされる「ダ」が主に用いられます。県東部の農村部・山間部で「ダ」「ジャ」の前身とされる「デャ」の存在も、全国的に見て注目されます。この調査から約20年たち、「デャ」を用いる人は稀になりました。

参考文献:小西いずみ(2016)『富山県方言の文法』第2章「コピュラの分布とその形成過程」、ひつじ書房

この図の作成には、国立国語研究所・方言研究の部屋 で公開されているプログラム及びデータファイルを利用しました。