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ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンにおけるソ連時代の記憶プロジェクトの聞き取り調査
ティムール・ダダバエフ(筑波大学大学院人文社会科学研究科・助教授)

 概要

  • 出張者:ティムール・ダダバエフ(筑波大学大学院人文社会科学研究科・助教授)
  • 日程:2006年8月4日〜8月19日
  • 用務地:タシュケント(ウズベキスタン)、ドゥシャンベ(タジキスタン)、キルギス
  • 用務:聞き取り調査および現地の研究者との意見交換

 報告

中央アジア地域におけるソ連時代の記憶プロジェクトの一環として、2006年8月4日〜19日にウズベキスタン、タジキスタン、キルギスにおいて聞き取り調査および現地の研究者との意見交換を行った。本プロジェクトのパイロットプロジェクトは、ウズベキスタンを対象にし、二段階に分けて行われた。第一段階では50人の回答者へのインタビューに基づいて日常生活を分析し、第二段階では特に興味深い人生を送った一般人15人のインタビューをもとに彼らのライフストーリーを作成する予定である。インタビューは、イスラーム地域研究プロジェクト東京大学拠点とウズベキスタン外務省付属世界経済外交大学(ラフモノフ教授・政治学研究科長;ジュラエフ助教授・政治学研究科・UNESCO講座長)の共同研究作業として行われている。現地調査の具体的な内容は以下のとおりである。

ウズベキスタンでは、現地の研究者と調査の手法や進展状況について意見交換を行った上で、タシケント、サマルカンド、ブハラにおいてインタビューを行った。タシケントやブハラでは町長や村長などが、サマルカンドではモスク関係者などがインタビューの対象であった。


ブハラ州の村長達と
現地の協力者 
右は世界経済外交大学の
ジュラエフ助教授
(ブハラ州の調査の現場)
サマルカンドの調査対象に
なったマハッラの一つ



次に、本プロジェクトの拡大の可能性を探るため、テルメズ経由の陸路を通ってタジキスタンを訪ねた。首都のドゥシャンベでは、まず現地滞在中の研究分担者、ステファン・ドゥドワニョン(CNRS)と意見・情報交換を行った。さらに、タジキスタンの民間研究調査組織、シャルク所長のムザファル・オリモフ、研究員のサオダット・オリモワ両氏と、ウズベキスタンに関するデータやタジキスタンにおける同様の研究の課題について話し合った。


ドゥドワニョン、小松、
ダダバエフ
ドゥシャンベのバザール ドゥシャンベの中心街にあるソ連時代風にデザインされた
カフェ



その後、フェルガナ盆地上空を飛んでキルギスのビシュケクに行き、キルギス・トルコ・マナス大学を訪ねた。同大学ではセビンチ副学長の歓迎を受け、大学の研究や教育について説明を受けた。その後、郊外にある新キャンパスに案内され、共同プロジェクト実行の際に施設を活用する可能性についても意見交換を行なった。


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