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2014年第4回定例研究会/共催講演会 「ガザの人権を考える 〜ラジ・スラーニ氏 講演とガザ映画上映〜」報告 
鈴木啓之(東京大学大学院・総合文化研究科博士課程)

 概要

  • 日時:10月11日(土) 2:00pm〜8:00pm、10月12日(日) 1:00pm〜8:00pm
  • 会場: 東京大学・経済学部 第1教室(本郷キャンパス)
  • 主催:土井敏邦 パレスチナ・記録の会
  • 共催:
    • 科学研究費基盤研究(A)アラブ革命と中東政治構造変容に関する基礎研究
    • NIHUイスラーム地域研究東京大学拠点パレスチナ研究班
プログラム

【10月11日(土)】
  • 14:00 『ガザに生きる』「第四章 封鎖」(84分)
  • 15:45 最新キュメンタリー映画『ガザ攻撃・2014年夏』(90分)
  • 17:30 ラジ・スラーニ氏・講演 「2014年ガザ攻撃で何が起こったのか」
  • 19:00 川上泰徳氏(朝日新聞)のコメント
  • 質疑応答
【10月12日(日)】
  • 13:00 『ガザに生きる』「第二章 二つのインティファーダ」(84分)、ラジ・スラーニ氏の解説
  • 15:15 『ガザに生きる』「第三章 ガザ撤退とハマス」(67分)、ラジ・スラーニ氏の解説
  • 17:15 『ガザに生きる』「第五章 ガザ攻撃」(一部上映)、臼杵陽氏の解説(イスラエル側はどう反応したのか)、ラジ・スラーニ氏の解説
  • 19:00 ラジ・スラーニ氏と臼杵陽氏(日本女子大教授)の対談(パレスチナ情勢と他の中東地域の情勢との関連)

 報告

第一日目は、土井敏邦氏の取材による2014年ガザ戦争の現状報告と、ラジ・スラーニ氏(弁護士、ガザ地区より「土井敏邦 パレスチナ・記録の会」が招聘)、川上泰徳氏(朝日新聞社記者)による講演が行われた。土井氏の映像報告では、発電所や食品工場といったガザ地区のインフラが意図的に破壊されたなか、汚水処理の問題や野菜価格の高騰、住居の不足などに多岐にわたる諸問題が指摘された。この報告を受ける形でラジ氏は、自身の法律関係者としての視点を交えながら、自身も経験したガザ戦争の被害の甚大さと、それに対する国際社会の責任について強く訴えた。

第二日目は、土井氏のドキュメンタリー映像にラジ氏がコメントを加える形で議論が展開され、臼杵陽氏(日本女子大学)による解説とラジ氏との対談がなされた。このなかでは、ガザ地区の置かれた現状のみならず、パレスチナ社会の抱える課題や国際支援のあり方の問題点など、多くの視座が提示された。

なお、両日ともにラジ氏の発言は通訳者の中嶋寛氏によって日本語に同時通訳され、会場とも活発な質疑応答が展開された。ラジ氏の両日の詳細に関しては、中嶋氏のブログ〈http://noraneko-kambei.blog.so-net.ne.jp/〉で参照することが可能である。
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