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死生学と応用倫理 第2部「いのちの終わりと死生観」
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2003年度最初の大規模なシンポジウム「死生学と応用倫理」第2部は、医学部大講堂で行われた。いのちの「終わり」と死生観を問う本シンポジウムは、「新しい死のかたち、変わらない死のかたち」と題され、現代的な話題に真正面から挑む試みである。
本会場の300席はたちまち満員になり、550部用意した資料集も不足してしまう始末で、階段から床まで聴衆で埋められてしまう事態となった。稲上毅文学部長の挨拶に続き、竹内整一氏の司会により、5人のパネリストが今日の「死のかたち」について、それぞれの経験を踏まえ、また学問的洞察を踏まえてその特徴を論じ合った。
小松美彦氏は医療の介入が死を個に閉じこめてしまう事態について、田口ランディ氏ははたらく人こそノーマルだとされる社会に見捨てられたと感じる人について、中神百合子氏は死の床にあって「その人らしい」死に方をとげていく人について、西垣通氏はいのちを機械として科学的世界観の限界を超える視点について、鷲田清一氏はひととひととの間の出来事として死をとらえる「変わらない」立ち位置の重要性について語った。
多彩な論点を受け、司会の竹内氏の論点整理に従って、また、用紙に書かれた聴衆からの多くの質問を整理しながら議論が進められ、熱気のうちに閉幕となった。