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死生学と応用倫理 第1部 「いのちの始まりと死生観」
趣旨 2003年6月6,7,21日の3日間にわたって、応用倫理教育プログラムとの共同主催によるシンポジウムが行われた。これは大きく二つの催しに分かれ、6月6,7の両日に行われた第一部では、「いのちの始まりと死生観」と題した講演会および研究集会が開催された。 6,7日の両日、文学部の1番大教室と教官談話室で行われた第1部は、終始盛況で熱気を帯びた2日間となった。初日はオックスフォード大学のジュリアン・サヴァレスキュ、トニー・ホープの2人の教授により、「いのちの始まり」をめぐる生命倫理、医療倫理を主題とする公開講演が行われた。司会は医学部の赤林朗氏である。人格概念などをめぐって微妙な問題を多様にはらむ、「人間の胚研究」などについて、つっこんだ議論がかわされた。 2日目は諸学問分野でこの問題に取り組んできた研究者による問題提起を受けて、海外からの参加者を交え、「いのちの始まりと死生観」をめぐり、参加者を制限して長時間にわたる討議が行われた。 荻野美穂氏は「いのちの始まり」の問題に対して、女性の自己決定を訴えてきたフェミニズムが障害者の排除の趨勢に直面するなど、新たな論理の構築を余儀なくされているという展望を示した。障害者との交流から学んできた八幡英幸氏や立岩真也氏から、出生前診断や着床前診断などを視野に入れた鋭い論理が提示された。「いのちの始まり」をめぐる従来の議論の枠組みを超えるために、歴史や文化によって変異を示す死生観のヴァラエティを参照することが一つの突破口になるのではないかという論点が出口顕氏や島薗進氏によって論じられ、検討された。ヒレル・レヴィン氏、清水哲郎氏、熊野純彦氏、ヘレン・ハーデカー氏による問題の整理を経て討議は結ばれた。懇親会では医学部の廣川信隆学部長が、文学部との交流の重要性についてユーモアを交えつつ力説された。 HOME > 活動報告(シンポジウム) >
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