ヴィクトル・シュニレルマン研究会 『ソヴィエト人』から『有機体的共同体』へ−ロシアとウクライナの新異教主義(ネオ・ペイガニズム)概観
日時 | 2004年12月3日(金)15:00-17:00 |
場所 | 東京大学法文1号館 215教室 |
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2004年12月3日(金)、東京大学本郷キャンパス法文1号館215教室において、ヴィクトル・シュニレルマン博士講演研究会が開催された。シュニレルマン氏はロシア連邦科学アカデミー・民族人類学研究所の主任研究員で、この度の氏の講演は「「ソヴィエト人民」から「有機的共同体」へ――ロシアとウクライナのネオペイガニズムの世界観」と題され、1980年代以降、ロシアとウクライナで顕著に興隆しているネオペイガニズムについて紹介しながら、そこに現代人の時空間認識や死生観の変化を読みとろうとするものである。
ペイガンとは「異教の」を意味するが、キリスト教から見て劣った異教を名指す用語を逆手にとって、外来宗教流入以前の真正の民族的宗教伝統を指すものとして用いられ、「悠久の民族の血」というべきスラブの伝統に戻ろうとするのが、このネオペイガニズムを支持する人々である。講演後、現代ロシアや東欧社会の研究という観点からの質疑応答とともに、現代人の死生観の動向という観点からの討議が行われた。
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