ロジャー・クリスプ教授講演研究会 健康ケア資源をどのように割り当てるか:QALYSかそれとも徳か
日時 | 2004年10月14日(木)15:00- |
場所 | 東京大学法文1号館 215教室 |
|
|
2004年10月14日(木)、東京大学本郷キャンパス法文1号館215教室において、ロジャー・クリスプ教授講演研究会「
(How to Allocate Health Care Resources: QALYs or the Virtues?)」が開催された。クリスプ氏は、現在のイギリス哲学を先導する若きリーダーの一人として活躍する英オックスフォード大学フェロウである。
クリスプ氏はまず、功利主義の伝統に連なる、QALYs、「質で調整した余命」(quality-adjusted life years)の概念を説明した。しかしこれにより、正義の徳が軽視されうる余地が考えられるとして、そのため、叡智が必要となると結論づけた。伝統的な倫理学ときわめて現在的な問題意識とが、見事に溶け合った、実に刺激的な講演だった。
現場に反映させる観点で医学部の甲斐教授などから、多数の質問が次から次へと出た。大このような学際的領域のアップトゥーデイトな研究が紹介された意義は、非常に大きなものであったと言えよう。
|