科目一覧 (2021年度)

Sセメスター(S1・S2)

担当教員 授業科目名 副題 曜時
氏 名
内   容 備考
教授 梶原 三恵子 印度語学印度文学演習 サンスクリット文献講読(Ⅰ) 月・5

共通
ヴェーダ文献から散文・韻文を選んで、参加者全員による輪読形式で精読する。サンスクリット語講読としては上級演習にあたる。
アクセントを保持しているブラーフマナ文献を中心に、ヴェーダ期の言語・宗教・文化を伝えるサンスクリット散文の読解訓練を行う。サンスクリット語の正確な読解のために、各種辞書・文法書などの使い方を指導する。あわせてヴェーダ文献およびヴェーダ宗教思想の基礎知識を解説する。
古いサンスクリット文に慣れておくことは、ヴェーダ文献のみならず、古典サンスクリットによる各種文学・哲学・宗教文献、および中期インド語文献を読む際にも大きく役立つので、専門にかかわらず、積極的に受講してほしい。
Zoomによるオンラインで行う。
印度語学概論 I サンスクリット初級文法(Ⅰ) 火・3

学部
古典サンスクリット語の初級文法を習得し、平易なサンスクリット文を読解する運用力を養成することをめざす。Sセメスターは、文法の前半部(音論、名詞・形容詞の変化)を扱う。
サンスクリット語は古代・中世インドで宗教聖典および各分野の学術書に用いられた古典語である。仏教などを通してアジアの諸地域の文化にも少なからぬ影響を与えた。また、印欧比較言語学分野においては、ギリシア語・ラテン語とならぶ重要な位置を占める。
授業は文法の解説と練習問題による演習を組み合わせて進める。

印度語学印度文学演習 I Sanskrit Reader 講読(Ⅰ) 火・5

学部
サンスクリット初級文法を修了した者向けの、中級講読演習である。比較的平易なサンスクリット文の読解練習によって、文法知識の定着をはかり、サンスクリット語の運用力を身につけることをめざす。
Ch. R. Lanman, Sanskrit Reader をテキストとし、『マハーバーラタ』の一部である「ナラ王物語」を主教材として、古典サンスクリットの読解訓練を行う。

 サンスクリット文献研究(1)  サンスクリット文献研究(Ⅱ) 木・2

大学院
初回に担当教員と相談のうえで、各履修者が自分の担当するテキストを決め、テキストと訳を準備し、順番に講読発表して、授業参加者全員で、原文の解釈およびテキストの内容について議論検討するゼミナールである。本授業の目的は、(1)多様な時代・ジャンルのサンスクリット文献(またはプラークリット語)を講読すること、(2)担当に際してレジュメを準備しテキストと自らの解釈を説明するプレゼンテーションの訓練をおこなうことである。
教授

助教
梶原 三恵子  

尾園 絢一
印度語学印度文学特殊講義Ⅰ パーニニ文法学文献講読(1) 水・5

共通
パーニニ(紀元前4世紀)が残した最古のサンスクリット文法『八課集成(アシュターディヤーイー)』に始まる文法学は伝統諸学の根本として今日まで生きている。インドの知識人は文法学に基づいてサンスクリットを正しく用いることが求められた。本授業では、パーニニ文法学の体系を完成させたパタンジャリ『大注釈(マハーバーシャ)』を講読する。SセメスターはPāṇ. I 1,56-57に関する議論(Sthānivadbhāvāhnika )を講読する予定である。対話形式で議論が進められる同書の注釈スタイルや語法を学び、インド哲学文献や注釈文献に取り組む上で有益な知識を身につけることを目指す。
講師 宮本 城 印度語学印度文学演習Ⅴ タミル語文献講読(1) 金・5

共通
本講義では,インドのドラヴィダ諸語の中で,最も古い歴史を持つタミル語の文法を解説する。タミル語は,文章体と口語体に相違があるうえに,スリランカ,マレーシア,シンガポール等の国々にも相当数の話者がいることから,口語体の形も様々である。
本講義では口語体と文章体の双方を解説する。出席者の学習目的も適宜考慮する。


Aセメスター(A1・A2)

担当教員 授業科目名 副題 曜・時
職名 氏 名
内   容 備考
教授 梶原 三恵子   印度語学印度文学演習 サンスクリット文献講読(Ⅱ) 月・5
共通
ヴェーダ文献から散文・韻文を選んで、参加者全員による輪読形式で精読する。サンスクリット語講読としては上級演習にあたる。
アクセントを保持しているブラーフマナ文献を中心に、ヴェーダ期の言語・宗教・文化を伝えるサンスクリット散文の読解訓練を行う。サンスクリット語の正確な読解のために、各種辞書・文法書などの使い方を指導する。あわせてヴェーダ文献およびヴェーダ宗教思想の基礎知識を解説する。
古いサンスクリット文に慣れておくことは、ヴェーダ文献のみならず、古典サンスクリットによる各種文学・哲学・宗教文献、および中期インド語文献を読む際にも大きく役立つので、専門にかかわらず、積極的に受講してほしい。
ハイブリッド形式を予定している。状況によりオンラインのみに変更する場合がある。
印度語学概論 II サンスクリット初級文法(Ⅱ) 火・3

学部
古典サンスクリット語の初級文法を習得し、平易なサンスクリット文を読解する運用力を養成することをめざす。サンスクリット語は古代・中世インドで聖典に用いられ、仏教などを通してアジアの文化にも少なからぬ影響を与えた言語である。また、印欧比較言語学においてはギリシア語・ラテン語とならぶ重要な位置を占める。
サンスクリット初級文法は、S・A両セメスターをあわせて全体像を習得できるように設計している。Sセメスターは文法の前半部を扱い、Aセメスターの本授業では、それを受けて、文法の後半部(主として動詞)を扱う。
印度語学印度文学演習II Sanskrit Reader 講読(Ⅱ) 火・5

学部
サンスクリット初級文法を修了した後の、中級講読演習である。比較的平易な文章の読解練習によって、文法知識の定着をはかり、サンスクリット語の運用力を身につけることをめざす。
Sセメスターの進度により、Aセメスター前半は、ナラ王物語の続きを読む可能性がある。
後半は、ヴェーダ期サンスクリット語のてほどきを行う。主教材に用いる Ch. R. Lanman, Sanskrit Reader の後半は、ヴェーダ期サンスクリット文献のアンソロジーと語彙集である。そのなかから、特にアクセント記号が付されているヴェーダ期散文をいくつか選んで講読する。
 サンスクリット文献研究(2)  サンスクリット文献研究(Ⅱ) 木・2

大学院 
初回に担当教員と相談のうえで、各履修者が自分の担当するテキストを決め、テキストと訳を準備し、順番に講読発表して、授業参加者全員で、原文の解釈およびテキストの内容について議論検討するゼミナールである。本授業の目的は、(1)多様な時代・ジャンルのサンスクリット文献(またはプラークリット語)を講読すること、(2)担当に際してレジュメを準備しテキストと自らの解釈を説明するプレゼンテーションの訓練をおこなうことである。
教授

助教
梶原 三恵子  

尾園 絢一
印度語学印度文学特殊講義 パーニニ文法学文献講読(2) 水・5

共通
パーニニ(紀元前4世紀)が残した最古のサンスクリット文法『八課集成(アシュターディヤーイー)』に始まる文法学は伝統諸学の根本として今日まで生きている。インドの知識人は文法学に基づいてサンスクリットを正しく用いることが求められた。Sセメスターに続き、パーニニ文法学の体系を完成させたパタンジャリ『大注釈(マハーバーシャ)』を講読する。AセメスターはPāṇ. II 1,2以降に関する議論( Avyayībhāvatatpuruṣāhnika)を講読する予定である。対話形式で議論が進められる同書の注釈スタイルや語法を学び、インド哲学文献や注釈文献に取り組む上で有益な知識を身につけることを目指す。
講師 伊澤 敦子 印度文学史概説Ⅰ インド古代中世文学・文献案内 木・5

学部
インドの古代から中世までの文学を紹介する。
古代の文献は宗教文献と言ってよく、アーリヤ人のインド進入前後の彼らの神々との関わり、祭式事情を伝承するものである。そこではインド・イラン共通時代の情報や彼らがヨーロッパや中央アジアで出会った文化やそこに残した足跡といった遠い過去の遺産をも垣間見ることが出来る。祭式を中心に据えた世界観や人生観はやがて時代が下ると更なる発展を遂げ哲学的思想へとつながり、新たな宗教運動をも引き起こす。また一方で、インド進入後の土着文化との混交、民間伝承の受入を経てインド固有の文学が花開いていく。この一連の流れを追うことで、インド文学が包摂する、ヨーロッパからインドに至る地理的なそして何千年という時間的な雄大さを感得してもらいたい。さらに、神概念、来世観、時間の観念といった個々のテーマをも取り上げ、他宗教や他文化或いは今日のそれとの比較にまで関心が及べば、この講義の所期の目的は果たされたことになる。
講師 宮本 城 印度語学印度文学演習Ⅵ タミル語文献講読(2) 金・5

共通
春学期に続き,タミル語の文法を解説する。平易な文章の文法が理解できるようになることを目標とする。
講師 横地 優子 印度語学印度文学特殊講義Ⅲ カーヴィヤ研究 金・2

共通
9世紀後半のカシュミールにて、シヴァスヴァーミン(Śivasvāmin)によって著された『カッピナ王の興隆』(Kapphiṇābhyudaya)は、非常に優れた成熟期のマハーカーヴィヤ(サルガバンダ)作品であるが、これまで十分研究されておらず、2007年にハーンによってネパール写本に基づく校訂テキストが出版されて、ようやく本格的な学術研究が可能となった。この授業では、この作品の中でも高度な言葉の技巧を駆使する章の一つ、ヤマカの技法と多様な韻律を使用してマラヤ山を描写する第6章を扱うことで、成熟期のカーヴィヤのさまざまな技巧を理解し、そうした技巧を用いる詩を理解し、解釈できるようになることを目指す。さらに、同主題を扱う先行するマハーカーヴィヤ作品の章と比較することで、サンスクリット詩の強固な伝統の中での作者の独創性について考察する。また、授業では校訂テキストの基礎となっているネパール写本の写真を使って、写本読解の訓練も行う。難解な詩を解読する楽しさを味わってほしい。

前ページへ戻る