科目一覧 (2012年度)

担当教員 授業科目名 副題 学期 曜時 備考
氏 名
内   容
教授 高橋 孝信 印度文学史概説 南インドの言語と文化 通年 火・4 学部
講義題目は、本講義の一端を示しているだけである。
この授業の目標は、仏教学を中心として紹介されてきた、これまでのインドの宗教・文化・文学が、あまりに北インドのそれらに偏っていることを知ってもらうことにある。
そのため、サンスクリット語とならんでインドの古典語とされるタミル語の文献も含め、さまざまな観点からインドを見つめなおしていく。
 
印度語学印度文学演習Ⅰ タミル語文法 通年 水・4 学部
2千年を越える歴史を持つタミル語は、時代、韻文と散文、文章語と口語、方言(地域方言と社会方言)などによって大きく異なる。
これら様々なタミル語の学習の基礎となるのが、19世紀半頃から急速に発達し始めた散文を読む力の習得である。
この授業では、そのような近現代の散文が読める力を養うことに主眼をおくことにする。夏学期に文法を終了し、冬学期は平易な散文を読む。
印度語学印度文学演習Ⅱ  タミル文献講読 通年 金・3 共通 
タミル語初等文法(印度語学印度文学演習(1)「タミル語文法」の項を参照のこと)を終えた学生を対象に、文法知識をより確かにするのが目標である。
そのため、夏学期は近現代の散文を読み、冬学期には、タミル語の文法構造をよりよく知るために古典文法に進む。
冬学期の教材は、5世紀ごろの箴言詩集『ティルックラル』である。
 
演習 タミル文献研究 通年 金・5 大学院
タミル古典を読む。本年はサンガム文学と通称される古典文学(後1~3世紀)の二大詞華集のうちの『パットゥパーットゥ(十の長詩)』の中の一つの作品を読み進める。
『パットゥパーットゥ』は、古典期でも最後の頃(後3世紀ころ)の作品と思われ、それ以前の作品とは様相を異にする。すなわち、それまでの様式化された文学ではなく、古代社会のさまざまな様子が描写される。
したがって、読解には古典文法のみならず、諸分野の知識が要求される。
この授業を通じて、古代文学を読むには何が必要かも学んで欲しい。。
准教授  梶原 三恵子 印度語学印度文学演習Ⅱ サンスクリット文献講読 通年 月・5 共通
ブラーフマナ文献を精読することによって、初期サンスクリットの散文を読解する訓練を行う。テキストの正確な読解のために、各種辞書・文法書などの工具書類に親しむようにする。あわせてヴェーダ文献の基礎知識を概説する。
今年度は『シャタパタ・ブラーフマナ』を冒頭部から読み進める。
サンスクリット語文法 サンスクリット語文法 通年 火・3 学部
古典サンスクリット語の初級文法を習得し、基本的な文法事項を身につけさせることによって、サンスクリット文を読解する基礎を養成することをめざす。
J.ゴンダ『サンスクリット語初等文法』(春秋社)を教科書とし、辻直四郎『サンスクリット文法』(岩波全書)を副読本とするほか、プリントを配布する。毎回宿題を課す。
印度語学印度文学演習Ⅰ Sanskrit Reader 講読 通年 火・5 学部
サンスクリット初級文法を修了した後の中級演習である。
比較的平易な文章の読解練習によって、文法知識の定着をはかり、運用力を身につけることをめざす。
Ch. R. Lanman, Sanskrit Reader を教科書とし、「ナラ王物語」「ヒトーパデーシャ」を主教材として古典サンスクリットの読解練習を行う。後期には教科書からブラーフマナ散文を選んでヴェーダ期サンスクリットのてほどきも行う予定である。
教授 永ノ尾 信悟   演習 インド祭祀文献研究 通年 水・1 大学院
葬送儀礼の変遷を考える文献と占星術関連の文献を隔週ごとに読む。
葬送儀礼関係では Visnudharmottara Purana 1.138-145 を、また占星術関連では Brhajjataka 3 以降の章を Utpala の注釈とともに読んでいく。
講師 矢島 道彦 印度語学印度文学特殊講義 パーリ語学研究 通年 水・5 共通
テーラヴァーダ仏教の聖典語であるパーリ語は、インドの言語史のなかでは中期インド語(≒ プラークリット)の古層に位置し、アショーカ王の法勅文についで古い言語である。ジャイナ教白衣派の聖典語であるアルダマーガディーは、パーリ語よりもやや新しいが、共に聖典の最も古い部分は、東インドのマガダ地方の方言によって歌われ、あるいは語られていたことが知られている。パーリ語を学ぶことは、中期インド語を学ぶことにほかならない。この授業では、とくにこうした中期インド語の視点からパーリ語について学習する。サンスクリット(梵語)との相違点も明示しながら進めるので、その学習にも役立つであろう。
講師 山下 博司 印度語学印度文学特殊講義 古典インドと現代
―ヒンドゥー教とグローバル化の問題を中心に―
冬学期 集中 共通
従来のインド研究は、古代や古典期の研究と近現代を対象にする研究とが分離しがちであった。しかしながらインドの文明は、エジプト等のそれと異なり、先史時代から今日まで途絶えることなく継続的に維持されており、まさしくその点にインド文明の特徴・特質を見出すことができる。
古代の文明の営為の中に、現代に繋がる文化要素や後世の展開の萌芽が胚胎されている例が散見されるだけでなく、世界に雄飛するインド人科学者・技術者の内面にインド古典文化への確信と誇りが息づいていたり、伝統的な宗教儀礼を遵守していることも多い。
本講義では、以上の基本認識を踏まえ、グローバル化する現代において、インドの古典文化がどのように維持され、展開し、変容しているかについて、さまざまな事例に拠りつつ考えてみたい。

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