タミル語の読み方

タミル語の読み方については、ここの2頁目にもあらましは書かれていますが、以下に注意点を簡単に書いておきます。

第1は、当たり前のことですが、日本語にない音はカタカナ表記などできないということです。(例、T, N, Z, L, Rなど)

第2は、タミル語の項でも述べたように、タミル語にはたくさんの方言があるため、読みも一様ではないということです。

・果物はpaZamと言いますが、パリャム、パジャム、パラムなどと言われます。
・書名などでは、サンスクリット起源の語が入っている場合、バラモンなどは元のサンスクリット語を反映して読みますし、そうでない場合はタミル化して読みます。ですから、タミル語大辞典方式で、ヴィシュヌ派聖典のtivviyappirapantamは、それぞれdivyapraband(h)am, tivviyappirabandamと呼ばれています。

第3は、インドの言語一般に言えることですが、短母音、長母音の
長さが、日本語のそれらより短いということです。

具体的に言うと、インドの短母音を1の長さとすると、長母音は2となるのですが、この1の長さとは「瞬きする、あるいは指をパチンと鳴らす」長さであると、紀元前後の文法書にも規定されているとおりとても短いのです。したがって、日本語の短母音はインド的に言うと1.5ぐらいになりますから、現地でヨーガ、タール(砂漠)などと言うと通じないことがあります。

したがって、タミル語のカタカナ表記は、あくまでも便宜的なものです。

東京大学文学部・人文社会系研究科

インド語インド文学研究室

〒113-0033 東京都文京区本郷7ー3ー1

The Department of Indian Languages and Literature Faculty of Letters

Graduate School of Humanities and Sociology, University of Tokyo

7-3-1 Hongo, Bunkyo-ku, Tokyo 113-0033

Copyright © The Department of Indian Languages and Literature Faculty of Letters
トップへ戻るボタン