現代中国語の意味と構造
担当教員  木村英樹 学期:夏 水・5 赤門総合研究棟738
 「(昨日)雨が降った」も「(あっ!)雨が降ってきた。」も「(あっ!)雨が降っている。」もすべて“下雨了。”と言うのはなぜ?“我吃了十个饺子。”(私は餃子を10個食べた)は言えるのに、“「我吃十个子了。”が言えないのはなぜ? “这是我的书。”(これは本です)は言えるのに、“我要这。”(私はこれがほしい)が言えないのはなぜ? “教室里有一个人。”(教室に人がいる)は言えるのに、“教室里有王老师。”(教室に王先生がいる)が言えないのはなぜ?二文字の形容詞はたくさんあるのに、三文字の形容詞がないのはなぜ?なぜ?なぜ?なぜ???……基本的でありながら、初級や中級の中国語の授業では教わらない、しかし、中国語にとってはきわめて本質的問題を孕む諸々のトピックを、音韻・語彙・文法・語用論の各レベルから拾い出し、それらの考察を通して、中国語の意味と構造に関する理解を深める。加えて、中国語教育の観点から、理論的な問題を教育の現場で平易にかつ適確に学習者に理解させるための教授法についても適宜解説を加える。

第1講〜第2講 中国語の系統論的特徴
第3講〜第5講 中国語の類型論的特徴
第4講     中国語の音
第5講     中国語の語彙――形態素と語――
第6講〜第8講 中国語の品詞
第9講〜第12講 中国語の文法
第13講〜第14講 中国語の談話構造
第15講     中国語の語用論
毎回、ハンドアウトを配布し、講義形式で行う。

参考書:『中国語はじめの一歩』(ちくま新書)
    『中国語の意味とかたち』(白帝社)



担当教員  木村英樹 学期:通年 木・2 赤門721
 中国語で書かれた学術論文のレビュー、および、受講生の中国語学に関する研究報告を中心に行う。初回の授業で、受講生の全員にそれぞれが関心を寄せている問題を報告させ、各自が一年の間に取り組む具体的なテーマを設定する。以後、受講生が順次自らのテーマに関する報告またはレビューを行い、受講者全員でそれについての質疑と討議を行い、課題の解決と新たな知見の獲得を目指し、考察を深める。


担当教員
  林 徹 他
学期:冬 水・3 法文1号館311
 本講義では、「ことば」と「にんげん」を取りまくさまざまな問題について、哲学、歴史学、文学、言語学、社会心理学など、多様な学問領域の観点から検討する。  今年度は「現実、非現実、反現実」をテーマに、現実をとらえようとする人の心や文化的営みが作り上げる非現実や反現実などについて、各教員による講義とその後の教員・学生間の議論を通して考える。
 下記のようなテーマでの授業を予定している(いずれも仮題であり、日程を含めて、変更の可能性がある)
10月 2日 イントロダクション
10月 9日 木村英樹(中国語中国文学・言語学)「中国語が伝える『現実』」
10月16日 大西克也(中国語中国文学)「夢か現か―古代中国の言語風景―」
10月23日 渡部泰明(日本語日本文学)「和歌に見る「あの世」と「この世」のあいだ」
10月30日 10月担当の講師によるディスカッション
11月 6日 柴田元幸(現代文芸論)「アメリカ文学のなかの『現実』―その定数と変数―」
11月13日 唐沢かおり(社会心理学)「現実を構築する社会的なこころ」
11月20日 西村義樹(言語学)「言語における視点と現実」
11月27日 11月担当の講師によるディスカッション
12月 4日 高岸 輝(美術史学)「絵画に描かれた現実、非現実、反現実」
12月11日 渡辺 裕(美学芸術学・文化資源学)「映画の中の都市と現実の都市―ロケ地めぐりからまちづくりへ―」
 1月 8日 小林正人(言語学)「「言語変化における現実と非現実」
 1月15日 12月・1月担当の講師によるディスカッション

授業の方法
1)初回は講義スケジュールや授業の進め方についての確認と講師の紹介を行う。
2)2回目以降は、講義担当者による授業(1時間)の後、議論の時間を設ける。
3)講義には複数の教員が出席し、講義担当者の講義内容についての議論に参加する。
4)出席確認をかねて、毎回、出席カードに、授業の感想、質問などの記載を求める。
5)講義期間中、3回程度、そのときまでの授業担当者に対する質疑応答、議論の機会を改めて設ける。出席カードに記載された質問の中から、いくつかを抜粋し、議論のテーマとする予定である。


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