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担当教員 戸倉英美 | 学期:夏 | 月・2 | 赤門総合研究棟738 |
中国の散文の歴史は先秦時代の『尚書』『春秋』、諸子の散文などに始まり、続く漢代の『史記』『漢書』は、散文叙述をさらに発展させたといわれる。しかし魏晋の頃から駢文、あるいは四六駢儷文と呼ばれる形式の美を追求した文章が生まれ、六朝時代を通して文の代表とされた。駢文に対する批判は、北朝の西魏の頃から繰り返し提起されたが、駢文は唐代に入っても衰えることなく、盛唐に最盛期を迎える。唐代半ば、韓愈と柳宗元は、先秦漢代の文章を理想とする古文運動を提唱、賛同者を得たものの、晩唐と北宋の初めはまた駢文優勢となり、古文の地位が確定するのは欧陽脩以後のことであった。授業では「文」の歴史的変遷をたどり、唐宋の代表的作家の散文を読む。
授業計画
授業の方法
教科書
参考書 |
担当教員 戸倉英美 | 学期:冬 | 水・2 | 赤門総合研究棟721 |
李白・杜甫・王維らを輩出した唐代は、中国文学の歴史の中でも詩の黄金時代といわれ、わが国でも唐詩は『白氏文集』や『唐詩選』を通して古くから愛読されてきた。それに対して宋代の詩は、唐詩ほど悲しみを謳い上げることがなく、平静かつ論理的で、『詩情の散文化』『題材の日常化』に特色があるとされてきた。現代でも宋詩について論じる場合は、こうした評語を前提に出発するものがほとんどである。しかし実際に宋代の詩のいくつかを見てみれば、このような語を無批判に繰り返すことによって、宋詩の真実の姿が見失われてきたと考えざるを得ない。作品を読んで、唐詩とは異なる宋詩の魅力を再発見することを試みたい。
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授業方法
教科書
参考書 |
担当教員 戸倉英美 | 学期:通年 | 隔火・4‐5 | 赤門総合研究棟738 |
楚の国の歌謡を集めた『楚辞』は、中原諸国の歌を集めた『詩経』と並ぶ中国最古の詩歌集である。『国語』には、楚は巫習の盛んな地であるとされ、『楚辞』の諸篇は、いずれも何らかの形で、巫覡によって行われた宗教活動と関わりのあるものと考えられる。今回はその中から「九歌」を精読する。「九歌」は山川の神々を祭る歌や、英霊を祭る歌など11篇から成り、『楚辞』の中でも最も古い層に属するといわれる。朱熹が「九歌」には神とそれを招く巫のように、複数の登場人物がいるという説を唱えて以来、各篇ごとに様々な劇的構成を見る試みが行われてきた。漢代から現代まで、多くの先人達の助けを借りながら、中国の古典の中でも最も幻想的な魅力に富んだ作品に挑戦してみよう。
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授業の方法
教科書
参考書
参考書を頼りに、『楚辞』の諸篇を出来るだけたくさん読んでおくことが望ましい。 |
担当教員 戸倉英美 | 学期:通年 | 隔火・4-5 | 赤門総合研究棟738 |
中国の古典詩文は長い歴史と膨大な数の作品とを擁し、しかも作者はいつの時代も過去の文学の歴史をふまえて執筆している。どんな領域を研究対象とする場合にも、その歴史全体を視野に入れていることが要求される。この要求に応えるため、授業では様々な試みを行いたい。専攻する時代も分野も大きく異なる学生達が、それぞれ現在取り組んでいる研究について報告し、全員で討論することもある。外国人研究員として滞在している先生方や、時には学外からお招きした学者に、最新の研究についてお話しして頂くこともある。古典詩文の各領域に対する理解を深め、問題点と研究方法を学習すること、各自の研究を、文学史全体の中で捉える大きな視点を獲得することが、この授業の目的である。
古典詩文を専攻する学生のための授業だが、白話・近現代文学・語学などを専攻する諸君の参加を歓迎する。履修登録せず、興味のある会だけ参加することもかまわない。学部生の参加もOK。それぞれの視点から遠慮なく発言し、討論に加わってほしい。
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教科書
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担当教員 戸倉英美 | 学期:夏 | 水・2 | 駒場新5号館517 |
『聊齋志異(りょうさいしい)』は清代の初めに書かれた短篇小説集です。「聊齋」は作者蒲松齢(ほしょうれい・1640-1715)の書斎の名、「志」は「誌」と同じで、「しるす」ということ、つまりこの書名は、蒲松齢が書いた不思議な話という意味で、中国の「異」をしるす小説を集大成したものといわれています。洋の東西を問わず、文学には、現実には存在しない不思議な世界を描くものがあります。西洋では、幽霊や吸血鬼の活躍する怪奇小説と、妖精物語、そしてSFがそれぞれに異なるルールで、非現実の世界を作り出しています。中国の代表的な異界は、仙人の住む神仙世界と、幽鬼がすむ死後の世界ですが、蒲松齢は伝統を踏まえながらも、豊かな想像力で、新しい不思議の世界を作り出しました。翻訳と漢文訓読法を使って作品を読み、『聊齋志異』の「異」とはどんなものかを考えたいと思います。
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履修上の注意
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