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担当教員 藤井省三 | 学期:夏 | 月・4 | 赤門総合研究棟721 |
本ゼミでは女性作家で村上春樹チルドレンの一人でもある安妮宝貝(アンニー・パオペイ、Annie Baby)の短篇小説集を読む。作品の読解に当たっては、各種の辞典・事典・地図・文献目録などの工具書および作品に関連する新聞・雑誌・単行本などの調査が必要とされる。このような近代中国研究の基礎的工具書に習熟することも本ゼミの目標である。
中国語初級修了以上の語学力が必要。中文科講義「中国文学史概説(近現代)」未履修の者は、『20世紀の中国文学』(放送大学教育振興会)を通読しておくこと。また本ゼミでは研究書2冊についてゼミ生各自がレポートを提出し、これをめぐって討論を行う。
4月19日開講、ガイダンス
テキストのうちアニー・ベイビーの中国語原作『告別薇安』は、マスター・コピーを提供するので、初回のゼミで各自複写することができる。
教科書
参考書 |
担当教員 藤井省三 | 学期:通年 | 隔月・5 | 赤門総合研究棟623 |
台湾文学を広く研究する。
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担当教員 藤井省三 | 学期:夏 | 水・4 | 駒場1232 |
魯迅(ルーシュン、ろじん、1881-1936)は1902-09年まで明治末の7年間を日本で留学生として過ごし、夏目漱石や森鴎外らの影響を受けた。帰国後も芥川龍之介、小林多喜二ら同時代の日本文学に深い関心を寄せている。
魯迅は辛亥革命(1911)から五・四運動(1919)以後に至る中国の変革期に際し、漱石『坊つちゃん』(1906)に共感を抱きつつ、中国国民性批判の小説「阿Q正伝」(1923)を書き上げて、国民国家形成のために自己否定すべき「阿Q」像を確立した。「阿Q」像とは次のように仮に定義できようーー通常の名前を持たず、家族から孤立し、旧来の共同体の人々の劣悪な性格を一身に集めて読者を失笑苦笑させたのち犠牲死して、旧共同体全体の倫理的欠陥を浮き彫りにし、読者を深い省察に導く人物。 「阿Q」像は日本では太宰治の戦後作品や大江健三郎の初期から晩期の作品、そして1979年ポストモダン社会成立前夜にデビューする村上春樹に影響を与える(例えば『羊をめぐる冒険』の「鼠」や「駄目になった王国」の「Q氏」)など、戦後日本の国民的転換期に、自己否定されるべき各種人物像へと展開している。 本講義では魯迅を軸として、このような日中両国の現代文学の流れについてお話ししたい。
4月14日に開講し、初回に講義日程を配布する予定。講師は国際学会での報告のため二回休講するが、これは補講および課題レポート等を以て補いたい。
第1回 東アジアにおける魯迅「阿Q」像の系譜:ガイダンスに替えて
教科書 |
担当教員 藤井省三 | 学期:夏 | 水・5 | 駒場1232 |
中国では高度経済成長に伴い、貧富の格差が極大化しており、この傾向に警鐘を鳴らしているのが「底層叙述」の映画と文学である。その代表的監督のジャ・ジャンクー(賈樟柯、1970-)はセミ・ドキュメンタリーの手法で、『世界』『長江哀歌(三峡好人)』『四川のうた(二十四城記)』などの作品を撮り、世界の注目を集めている。本講義ではDVDで映像を鑑賞しながら、中国語原文の脚本を読み、中国文化の現在を考えたい。
4月14日に開講し、初回に講義日程を配布する予定。講師は国際学会での報告のため二回休講するが、これは補講および課題レポート等を以て補いたい。
教科書
参考書 |
担当教員 藤井省三 | 学期:通年 | 隔金・4-5 | 赤門総合研究棟738 |
4限には台湾人であり上海で新感覚派として活躍した劉吶鴎の日記を、1927年10月9日から読み続ける。
テキストは彭小妍・黄英哲編『劉吶鴎全集 日記集上下』(台南県文化局2001) 5限にはゼミ生諸君による研究発表と討論を行う。 4月16日(金)に開講予定。 教科書 彭小妍・黄英哲編『劉吶鴎全集 日記集上下』(台南県文化局2001)
参考書 |
担当教員 藤井省三 | 学期:冬 | 火・5 | 法文1号館 217 |
本講義は魯迅の短篇小説集『吶喊』の読書を通じて、現代中国文学の原点を探ることを目標とする。
10月12日開講、学会出張等のため二、三回休講する予定。 日本語訳または中国語原書の魯迅短篇集『彷徨』から「祝福」「酒楼にて」「傷逝」などの名作を読む。
教科書 |