「日本統治下における台湾の文学と文化」
担当教員  河原 功 学期:冬 金2 法文1号館 114教室
 戦前期の台湾がかつて日本の植民地であったことは誰もが知っている。旧植民地だった台湾は、近代日本の生成に深く関わっていた。だが、その実態がどんなものであったかについての理解は極めて乏しい。高校や大学といった学校教育の場で学ぶ機会がほとんどないためである。授業では、日本人作家(佐藤春夫)と台湾人作家(楊逵)の文学作品を主軸にして、50年間にわたる台湾統治の内実を歴史的、文化的に理解してもらうことを目標にしている。

 第 1回 台湾理解のための基礎知識
 第 2回 台湾の領有と抗日運動、霧社事件
 第 3回 台湾社会運動から台湾新文学運動へ
 第 4回 出版物の検閲と、日本書籍の流通
 第 5回 日本の内地作家の見た台湾(1)
 第 6回 日本の内地作家の見た台湾(2)
 第 7回 日本の内地作家の見た台湾(3)
 第 8回 台湾人作家の活動(1)
 第 9回 台湾人作家の活動(2)
 第10回 台湾人作家の活動(3)
 第11回 決戦下の台湾文学
 第12回 映画「サヨンの鐘」の問題点
 第13回 戦後初期の台湾−日本人の留用と引揚げ
     〔授業回数と内容や展開によって変動することあり〕

教科書
河原功『台湾新文学運動の展開−日本文学との接点』(研文出版、1997年) 2,800円

参考書
藤井省三ほか『よみがえる台湾文学』(東方書店、1995年)
藤井省三ほか『台湾の「大東亞」戦争』(東京大学出版会,2002年)
山口守・藤井省三・垂水千恵・河原功『講座台湾文学』(国書刊行会、2003年)




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