科目名 「中国映画の諸問題」
担当教員  刈間文俊 学期:夏 月・2 駒場9号館323
 中国映画に関する文献講読を予定している。具体的な文献等については、開講時に指示する。

  科目名 「近代中国小説を読む」
担当教員  代田智明 学期:夏 月・3 駒場8号館422
 20世紀前半の中国語で書かれた小説テクストをやや丹念に読み解く。取り上げる材料は、参加者の希望にもよるが、沈従文・丁玲・老舎・廃名・などを考えている。進行は担当部分と担当者を決め、精読形式で行うとともに相互に議論する予定。



  科目名 「現代中国評論を読む」
担当教員  代田智明 学期:冬 月・3 駒場
 20世紀後半、文化大革命以後(いわゆるポスト文革)の中国における、思想、文学、文化に関する評論を読む。場合によっては、同時代のものも扱うかも知れない。材料は参加者の希望にも従うが、李沢厚・王暁明・汪暉などを考えている。進行は担当者と担当部分を決め、精読方式で行うとともに相互に議論をする予定。

担当教員  戸倉英美 学期:教養1・3 月・5 駒場516
 漢代の終わりから、唐代の終わりまでの範囲で、中国語の詩を読み、その歴史を
たどる。新たな視点から中国の古典詩を鑑賞することが第一の目標だが、広く中国
の歴史や文化について学ぶこと、また文学作品を読む楽しさを経験することを目標
とする。中国に限らず詩や文学に興味のある諸君の参加を歓迎する。

担当教員  大西克也 学期:教養1・3 火・5 駒場762
 司馬遷『史記』「遊侠列伝」「佞幸列伝」を、中華書局点校本をテキストに講読する。外国語である古代漢語の語彙、語法に即した厳密な解釈を目指し、「なぜそのように訳せるのか」を問うことに重点を置く。現代中国語の学習歴は問わない。駒場で開講する。

担当教員  藤井省三 学期:教養3 水・4 駒場1232
 中国文学は中国における近代的国民国家建設と歩を同じくして誕生した。上海・
北京の南北二都を手がかりに近代中国および20世紀中国文学を読み解いてみよ
う。その際、キーワードはメディア=知の媒体と都市の社会学である。中国本土だ
けではなく、広く中国語圏を視野に入れて、香港・台湾でのアイデンティティ形成
と文学との関わりや、明治・大正・昭和の日本や現代東アジアにとっての中国文学
についても考えてみたい。
 4月9日(水)より駒場にて開講し、初回に講義日程を配布する予定。
第1回 近代中国とは何か――魯迅「故郷」の読書史を中心として
第2回 中国の近代化と租界都市上海
第3回 “文化城”北京と文学革命
第4回 上海と狂熱の30年代
第5回 共和国興亡の40年代
第6回 毛沢東時代と文化大革命
第7回 ケ小平時代と文学の再生
第8回 「血の日曜日」事件以後
第9回 香港文学
第10回 台湾文学
第11回 村上春樹と現代中国語圏文学
教科書:『20世紀の中国文学』藤井省三著・放送大学教育振興会・2800円
参考文献:『笑いの共和国:中国ユーモア文学傑作選』藤井監訳・白水社Uブックス・1100円


担当教員  藤井省三 学期:教養1・3 水・5 駒場1232
 本ゼミ前半では村上春樹の代表作をその映画化作品を参照にしながら解読し、
後半では台湾・香港・中国の村上チルドレンによる小説、映画、文化現象を考
察したい。
 村上春樹は日本の現在を東アジアの時間と空間に位置づけた作家であり、東
アジア共通の現代文化、ポストモダン文化の原点となっている。
 そもそも村上春樹は中国の深い影響を受けており、十代で魯迅を愛読し、デ
ビュー作『風の歌を聴け』では魯迅への深い共感を、1990年代の文芸批評では
「阿Q正伝」論も語っている。そして『羊をめぐる冒険』『ねじまき鳥クロニ
クル』などの作品群で、“歴史の記憶”“戦争の記憶”を語り続けてきた。
 そのいっぽうで、中国・香港・台湾の中国語圏社会では、1980年代以後、「村
上春樹現象」が続いており、村上文学は現代文化、ポストモダン文化の原点と
なった。この「両岸三地」は、それぞれ独自に村上文学を受容し変容してもい
る。
 村上受容を考察することにより、台湾人、香港人そして中国人がこの20年来
抱き続けてきた論理と情念の奥深くに分け入り、日中関係の現代史をより深く
理解することが可能となるであろう。
 4月9日(水)に駒場にて開講し、初回に講義日程を配布する予定である。
第1回 序論:上海で死んだ叔父――村上デビュー作『風の歌を聴け』と大森一
樹監督による映画化
第2回 魯迅「藤野先生」と村上「中国行きのスロウ・ボート」
第3回 魯迅の「阿Q」と村上の「Q氏」
第4回 日中戦争という歴史の記憶@村上の短編「トニー滝谷」と市川準監督による映画化
第5回 日中戦争という歴史の記憶A『羊をめぐる冒険』と『ねじまき鳥クロニクル』
第6回 台湾と村上春樹:カフェ「ノルウェイの森」、バー「海辺のカフカ」
第7回 香港映画が読む村上春樹:村上チルドレンとしてのウォン・カーウァイ(王家衛)監督
第8回 中国と村上春樹:「六・四」天安門事件と第1期村上ブーム
第9回 中国の村上チルドレン:衛慧『上海ベイビー』とアニー・ベイビー短篇集
第10回 中国語になった村上春樹:台湾版、香港版および中国語版の『ノルウェイの森』
第11回 記述式試験(7月9日の予定)
第12回 補講
毎回A4プリント1枚の講義レジメを配布し、前半60分で講義、後半30分で質問・
討論を行う。受講生は毎回事前にテキストの該当部分と村上作品に目を通し、
質問・意見を用意することが望ましい。また村上春樹『風の歌を聴け』『中国
行きのスロウ・ボート(短篇集)』『羊をめぐる冒険』『ねじまき鳥クロニク
ル』の中から、開講までに一作品を、講義期間中にさらに一作品を読了して欲
しい。
 補講などの機会に、関連するDVD映画を鑑賞したい。
教科書:
 藤井省三『村上春樹のなかの中国』朝日新聞社、朝日選書、1200円
参考書:
 藤井省三『20世紀の中国文学』放送大学教育振興会、2800円
 藤井省三『中国映画 百年を描く、百年を読む』岩波書店、2500円

  科目名 「現代中国における審美主義」
担当教員  伊藤徳也 学期:通年 木・3 駒場18号館909
 現代中国の審美主義に関わる論著、資料を読んでいきます。審美主義に関わる論著は近年無数に出ていますが、中には大胆で刺激的な論述も見受けられます。まずは、周小美主与消文化》(北京大学出版社,2002年)を読むことから始めます。この著作はその意味で典型的なものではありませんが、書誌情報の扱いが堅実かつ詳細で、是非はともかく問題提起も明確なので、たたき台として最適です。その中から、少なくとも、周作人、朱光潜、李沢厚などが重要な検討対象として浮かび上がってくるはずです。

  科目名 「現代中国語の様相」
担当教員  小野秀樹 学期:教養3 金・5 駒場151
 言語を観察、分析するためにはいくつかの領域・分野が存在するが、それらを幅広く横断しながら現代中国語がどのような構造を持つ言語であるかを俯瞰し、その特色を他言語との比較を交えつつ考察する。具体的には、音声・語彙(語構成)・文法(統語論)・談話(語用論)といった領域、分野において、日本語や英語と対照しながら中国語の実態について解説する。
 1年以上の中国語学習歴がある受講生が望ましいが、言語に関心を持つ人ならばその限りではない。テキストはプリントを配布する。


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