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担当教員 藤井省三 | 学期:夏 | 月・4 | 赤門総合研究棟721 |
本ゼミでは女性作家で村上春樹チルドレンの一人でもある安妮宝貝(アンニー・パオペイ、Annie Baby)の短篇小説集を読む。作品の読解に当たっては、各種の辞典・事典・地図・文献目録などの工具書および作品に関連する新聞・雑誌・単行本などの調査が必要とされる。このような近代中国研究の基礎的工具書に習熟することも本ゼミの目標である。
中国語初級修了以上の語学力が必要。中文科講義「中国文学史概説(近現代)」未履修の者は、『20世紀の中国文学』(放送大学教育振興会)を通読しておくこと。また本ゼミでは研究書2冊についてゼミ生各自がレポートを提出し、これをめぐって討論を行う。4月14日(月)本郷、赤門総合研究棟にて開講予定。
教科書: |
担当教員 藤井省三 | 学期:通年 | 隔月・5 | 赤門総合研究棟623 |
台湾文学をさまざまな角度から研究する。参加者は本専修課程大学院生および
外国人研究生に限る。 |
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担当教員 藤井省三 | 学期:教養3 | 水・4 | 駒場1232 |
中国文学は中国における近代的国民国家建設と歩を同じくして誕生した。上海・
北京の南北二都を手がかりに近代中国および20世紀中国文学を読み解いてみよ う。その際、キーワードはメディア=知の媒体と都市の社会学である。中国本土だ けではなく、広く中国語圏を視野に入れて、香港・台湾でのアイデンティティ形成 と文学との関わりや、明治・大正・昭和の日本や現代東アジアにとっての中国文学 についても考えてみたい。 4月9日(水)より駒場にて開講し、初回に講義日程を配布する予定。 第1回 近代中国とは何か――魯迅「故郷」の読書史を中心として 第2回 中国の近代化と租界都市上海 第3回 “文化城”北京と文学革命 第4回 上海と狂熱の30年代 第5回 共和国興亡の40年代 第6回 毛沢東時代と文化大革命 第7回 ケ小平時代と文学の再生 第8回 「血の日曜日」事件以後 第9回 香港文学 第10回 台湾文学 第11回 村上春樹と現代中国語圏文学 教科書:『20世紀の中国文学』藤井省三著・放送大学教育振興会・2800円 参考文献:『笑いの共和国:中国ユーモア文学傑作選』藤井監訳・白水社Uブックス・1100円 |
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担当教員 藤井省三 | 学期:教養1・3 | 水・5 | 駒場1232 |
本ゼミ前半では村上春樹の代表作をその映画化作品を参照にしながら解読し、
後半では台湾・香港・中国の村上チルドレンによる小説、映画、文化現象を考 察したい。 村上春樹は日本の現在を東アジアの時間と空間に位置づけた作家であり、東 アジア共通の現代文化、ポストモダン文化の原点となっている。 そもそも村上春樹は中国の深い影響を受けており、十代で魯迅を愛読し、デ ビュー作『風の歌を聴け』では魯迅への深い共感を、1990年代の文芸批評では 「阿Q正伝」論も語っている。そして『羊をめぐる冒険』『ねじまき鳥クロニ クル』などの作品群で、“歴史の記憶”“戦争の記憶”を語り続けてきた。 そのいっぽうで、中国・香港・台湾の中国語圏社会では、1980年代以後、「村 上春樹現象」が続いており、村上文学は現代文化、ポストモダン文化の原点と なった。この「両岸三地」は、それぞれ独自に村上文学を受容し変容してもい る。 村上受容を考察することにより、台湾人、香港人そして中国人がこの20年来 抱き続けてきた論理と情念の奥深くに分け入り、日中関係の現代史をより深く 理解することが可能となるであろう。 4月9日(水)に駒場にて開講し、初回に講義日程を配布する予定である。 第1回 序論:上海で死んだ叔父――村上デビュー作『風の歌を聴け』と大森一 樹監督による映画化 第2回 魯迅「藤野先生」と村上「中国行きのスロウ・ボート」 第3回 魯迅の「阿Q」と村上の「Q氏」 第4回 日中戦争という歴史の記憶@村上の短編「トニー滝谷」と市川準監督による映画化 第5回 日中戦争という歴史の記憶A『羊をめぐる冒険』と『ねじまき鳥クロニクル』 第6回 台湾と村上春樹:カフェ「ノルウェイの森」、バー「海辺のカフカ」 第7回 香港映画が読む村上春樹:村上チルドレンとしてのウォン・カーウァイ(王家衛)監督 第8回 中国と村上春樹:「六・四」天安門事件と第1期村上ブーム 第9回 中国の村上チルドレン:衛慧『上海ベイビー』とアニー・ベイビー短篇集 第10回 中国語になった村上春樹:台湾版、香港版および中国語版の『ノルウェイの森』 第11回 記述式試験(7月9日の予定) 第12回 補講 毎回A4プリント1枚の講義レジメを配布し、前半60分で講義、後半30分で質問・ 討論を行う。受講生は毎回事前にテキストの該当部分と村上作品に目を通し、 質問・意見を用意することが望ましい。また村上春樹『風の歌を聴け』『中国 行きのスロウ・ボート(短篇集)』『羊をめぐる冒険』『ねじまき鳥クロニク ル』の中から、開講までに一作品を、講義期間中にさらに一作品を読了して欲 しい。 補講などの機会に、関連するDVD映画を鑑賞したい。 教科書: 藤井省三『村上春樹のなかの中国』朝日新聞社、朝日選書、1200円 参考書: 藤井省三『20世紀の中国文学』放送大学教育振興会、2800円 藤井省三『中国映画 百年を描く、百年を読む』岩波書店、2500円 |
担当教員 藤井省三 | 学期:通年 | 隔金・4-5 | 赤門総合研究棟738 |
4限には台湾人であり上海で新感覚派として活躍した劉吶鴎の日記を、1927年
2月9日から読み続ける。 テキストは彭小妍・黄英哲編『劉吶鴎全集 日記集上下』(台南県文化局2001) 5限にはゼミ生諸君による研究発表と討論を行う。 4月11日(金)に開講予定。 なお参加者は本専修課程の大学院生および外国人研究生に限る。 |