専門分野: 私の研究教育のテーマは20世紀中国語圏の文学と映画です。具体的に言いますと、

(1)魯迅・胡適から莫言・鄭義・高行健に到る20世紀の中国文学、
(2)佐藤春夫から李昂に到る台湾文学および也斯や李碧華の香港文学、
(3)この百年における日本と中国語圏文化人の交流(この数年は「中国語圏における村上春樹の受容」と「東アジアの魯迅「阿Q」像の系譜」がテーマです)
そして(4)中国・香港・台湾・シンガポールの映画批評ということになるでしょう。
最近の著書には新しい魯迅像を描き出した『魯迅――東アジアを生きる文学』(岩波新書)、村上春樹の中国への関心と中国・香港・台湾の村上受容を分析した『村上春樹のなかの中国』(朝日選書)、現代文学史としては『中国語圏文学史』(東京大学出版会)、そして映画批評の『中国映画 百年を描く、百年を読む』(岩波書店)などがあります。それぞれ中国語訳や韓国語訳されて、東アジアでも広く読まれています(但し『中国映画』は中国側が版権取得済みの段階)。

コメント:
 中国の悠久なる歴史と広大なる大地は、多様性と重層性に富む文化を育ててきました。中文研究室にも日本の学生さん・院生さんのほかに、中国・香港・台湾・韓国そしてシンガポールや欧米の留学生・研究者が集まっています。こんな賑やかな中文が大好きです。