駒場からの進学、就職の意識について 2003年度進学2004年度卒業(就職) 坂田愛美
高校時代に中国に興味を持ったのがきっかけで、何か中国の文化に関することを勉強したいと思うようになり、様々な書物からいろいろな文化に触れることが出来そうだなと思ったので、中文に進学することに決めました。
駒場時代の私は、興味に合わせて中国関係の授業をとったり本を少々読んだりする程度でした。アルバイトに精を出したり趣味に没頭したりで、進学後のことなど何も考えておらず、今では、もっとたくさん本を読んだりして知識のアンテナを広く張っておくべきだったなあと思っています。それから中国語の勉強ももっと一生懸命やっておくべきでした。本郷に来てからは驚くほど毎日中国語で、慣れるのに相当かかりました。
中文研究室では大学院進学が一般的な中、私は現在公務員試験を目指し勉強中です。
中文で勉強したことなんて、社会人になったら何の役にも立たないのではないか、と思われるかもしれません。実際その通りだと思います。しかし、大学は将来の仕事に役に立つことばかりを学ぶ場ではないでしょう。私は、公務員になりたいと思っても法学部に行きたいとは思いませんでした。大学でしか得られない環境の下で、自分が純粋に興味のあることを、大学でしか学べないことを学びたかったのです。役に立つか立たないかの問題ではなく、自分が今学びたいこと、今でしか学べないこと、それを欲張りなまでに実現させてくれる場所、それが大学なのであり、私にとっては中文なのだと思います。
毎日受験勉強をしている中で、自らの学問的関心を追求していらっしゃる大学院生の方々を時々うらやましく思ったりもします。しかし私は、将来の夢に向かって頑張りつつ、中文での勉強も大切にしたいと思います。