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文化経営学 准教授
小林真理 KOBAYASHI Mari

研究テーマ

 文化を政策から見ることよりも、政策(あるいはそれを執行していく上で重要な役割を担うアクターの一つとしての行政)を文化から見ることに関心を持ってきました。行政主導で文化政策等を実行していくことの危うさを強く認識しつつ、現実の社会の中で、どのように政策を循環させていくか、あるいは実行していくかということを模索しています。現在もっとも強く関心を抱いているのは、都市レベルで文化政策がどのように執行されており、それがどのような政策決定過程を経ているかという問題です。さらに、市町村合併、地方財政の困窮、行政構造改革が、文化政策にどのような影響を及ぼしているかについて、調査研究を行っています。近年は、いくつかの自治体の文化振興条例及び文化振興計画の策定に、調査研究レベルから深く関わっています。こだわっていることは、芸術(文化)のための政策であり、政策のための芸術(文化)ではありません。
  現在はこれらの研究のいくつかを、以下の研究の中で行っています。


講義・授業について

 講義については、学部生向けの文化資源学入門において文化政策概論的な内容の授業を行っています。大学院生向けの、文化経営学演習では、ここ数年地方自治体の文化行政について考えるゼミを行っています。今年は、これまで数年間関わってきた小金井市での文化行政の実践で得られた経験を、まとめる作業を行っています。このゼミは、毎年夏に論文制作のための準備と文化政策的スポットを見学する合宿を行っています。2007年度は美唄市、札幌市、富良野市、旭川市、2008年度は香南市・高知市・中村市・松山市・直島・犬島、2009年度は富山市・南砺市、2010年度はソウル市とミルヤン、釜山に行きました。研究は基本的に一人で行うものですが、集団で考えることを大事にしています。なお、ここ数年研究指導をした修士課程の学生の論文のタイトルは以下の通りです。


著書・共著書


文化資源学を志す人へ

 文化資源学研究室は、現場に役に立つノウハウを教えるところではありません。どの学問分野も同じだと思いますが、どのように考えていくかということを学んでいく場だと思います。研究者を目指したいという人ももちろんですが、文化資源学研究室で学んだことを社会の具体的な現場で活かしてくれるような人(そのような意思を強く持つ人)が入学してくれることを歓迎します。文化資源学という研究室の特徴からか、「モノ」がはっきりと見える美術館、博物館の問題に関心を持つ人が多いですが、日本に大量に現れた文化ホール、文化会館は埋もれた資源ともいえます。この研究、また広い意味での文化行政の仕組みや制度に関心を持っている人に来てもらいたいと思っています。


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