歌舞伎を中心に日本の演劇、日本の舞踊を研究の対象としています。ここ数年は、歌舞伎の文献研究とそれに基づく歌舞伎の復活・復元研究を二つの柱にしてきました。文献研究としては『歌舞伎登場人物事典』(2006・5、白水社)の出版、復活・復元研究としては『女と影』(2005・11、早稲田大学大隈講堂)の上演、とひと区切りが付いたところです。一息ついてから、ライフワークでもある歌舞伎作者鶴屋南北の評伝と未刊全集の刊行に取り組む予定です。
4月から大学院の次世代人文学開発センターに赴任して来たばかりの新人です。早速、文化資源学の修士論文を何点か読ませていただきました。文化資源とは何かを考えることで、演劇学や舞踊学にこれまでにはない地平が切り開かれているように思いました。しばらくは、皆さんと一緒に、文化資源という視点から見て文字資料はいかなる意味を持ちうるのか、形態資料の持つ価値は何なのかを考えていけたらと思います。