題名 変化の見落としにおける項目数の効果(The effect of set size in change blindness) 著者 光松秀倫(Hidemichi Mitsumatsu),横澤一彦(Kazuhiko Yokosawa) 所属 東京大学(University of Tokyo) 抄録  部分的に異なる2枚の風景画像にブランクをはさみ繰り返し継時提示するとき,画 像相違部分の検出時間は著しく長くなる。この現象は,変化の見落とし(change blindness)と呼ばれる。光松・横澤(1999)は,様々な実験変数の統制がとりやす い文字配列画像を用いた実験により,変化検出が背景の有無による影響を受けないこ とを報告した。本研究では,変化検出時間に対する項目数の影響を調べた。その結果 ,項目数を増加すると,検出時間が線形に増加することが明らかになった。また,毎 試行25項目に固定された条件の検出時間は,ブロック内で項目数を変動させた条件で 推定される検出時間よりも長くなる傾向が見られた。この項目数変動による効果は, 被験者間実験でも被験者内実験でも確認された。これは,項目数が試行ごとに固定か 変動かにより,被験者が異なる方略を用いることで生じたと考察される。