再開発される長田地区

−− まちが壊れる −− 

 
かつて下町の風情をもっていたこの街は,高層ビルの建ち並ぶアスタという名前の街に作り替えられようとしています.ちなみに,アスタは,英語のusと日本語の明日townの合成語だそうです.

このため,空き地には,受け皿住宅の建設のための仮設住宅が建設されています.

震災前には,多数の人びとが,このアーケードの下を往来したと思われます.しかし,再開発の見込みの立たない場所は放置されます.天井の破れと歪みは,5年間このままだそうです.
再開発のための用地が確保されていきますが,まだ,それは虫食い状態です.この光景は,バブル時代の東京で見られた「地上げ」を思い起こさせます.もちろん,ここで用地を確保しているのは,民間ディベロッパーではありません.れっきとした市当局です.この更地の前のアーケードの柱も5年間曲がったままです.
長田地区が,印象的だったのは,まだ地域が残っていたことです.私たちは,公的援助法実現ネットワーク・被災者支援センターの人びとに案内していただきましたが,通りすがりのひとたちの何人かも,見ず知らずの私たちのところに近寄ってきて,現在の状況を語ってくれました.