御食事券

 これは敬愛するO先生の二度目の定年と新しい門出を祝う会での話.宴が終わりに近づいて,いよいよ幹事が,先生ご夫妻に記念品を贈呈する段となりました.幹事の挨拶「これは私たちからの御食事券ですので,どうかご利用下さい.」(聞くところによると,出席者のなかで自他共に認めるグルメが推薦する高級料亭のものだそうです.)先生からの返礼「私が収賄の当事者になるの?」.(贈収賄が成り立つような利害関係はないのに,悪い冗談だなあ.)幹事の弁明「いえ,感謝のしるしで,他意はありません.」...と,そこまで来たとき少し変だなと気づきました.御食事券ではなくて汚職事件だったのです.一同爆笑.しかし,これが先生の聞き違いによるものなのか,ブラック・ユーモアによるものなのかは分かりませんでした.しかし,この小話,今の世相から離れたら理解できないでしょうね. (1998/3/15)

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